かつてアミューズメント施設や家庭用ゲーム機で一世を風靡したセガや任天堂が、スマホ対応を急ピッチで進めています。スマホの登場がゲームコンテンツの世界に大きな影響を与えることは以前から予想されていましたが、その動きがいよいよ本格化してきました。

セガは希望退職社を募集

[写真]主力のWiiとニンテンドー3DSの販売が落ち込んだ任天堂(ロイター/アフロ)

 セガの持ち株会社であるセガサミーホールディングスは1月30日、事業内容の見直しや希望退職者の募集を行うと発表しました。低迷するアミューズメント事業を縮小し、スマホ向けのコンテンツに事業の軸足を移します。セガ単体では120名程度、グループ全体では300名程度を削減する予定です。

 セガは、アミューズメント機器の製造やアミューズメント施設(いわゆるアーケードゲーム)の運営で業容を拡大してきたゲーム機メーカーです。1980年代から90年代にかけては、同社が運営するゲームセンターで遊んだという人も多いはずです。その後同社は、セガサターン、ドリームキャストなど高性能な家庭用ゲーム機を次々と投入しましたが、ソニーのプレイステーションとの競争に敗れ、ハードウェア事業から撤退、ゲームソフトに特化するとともに、パチスロ・メーカーであるサミーと合併し、現在に至っています。

 同社はまだアーケードゲームの運営を行っていますが、同事業の売上げは前年割れとなっており、2015年3月期の中間決算では営業赤字となりました。会社の資源をゲームコンテンツに集中させ、特にスマホ向けのゲーム開発に力を入れます。

任天堂は460億円の赤字

 任天堂もセガと同様、ゲーム機の売上げ低迷に悩まされています。セガサミーホールディングスと異なり、パチスロのような安定収益源がありませんから、市場の変化が業績にもたらす影響は任天堂の方が大きくなっています。

 同社の2014年3月期における売上高は約5700億円と、事前予想を何と3000億円以上も下回り、結果として460億円の営業赤字に転落しました。今期についても半期決算まで営業赤字が続いている状況でした。主力のWiiとニンテンドー3DSの販売が落ち込んだことが最大の原因です。

 同社はスマホ向けに自社のゲームを展開することはせず、スマホ向けで大ヒットしたゲームコンテンツを自社のプラットフォームに取り込もうとしています。このため、従来は慎重だった同社キャラクターの外部販売を行い、ライセンス収入を拡大する意向を示しています。スマホはあくまで自社のプラットフォームにコンテンツを呼び込むためのツールという位置付けです。

 セガと任天堂の戦略は正反対ですが、スマホの台頭に苦慮した結果という点では同じになります。これはプレイステーションを展開するソニーやXboxを展開するマイクロソフトにとってもまったく同じであり、ゲーム機業界全体の課題といえます。特定のプラットフォームを残した方がよいのか、捨てた方がよいのか、果たしてどちらの戦略が功を奏するのでしょうか。

(The Capital Tribune Japan)