[写真]新種とみられるカジカと発見者の三宅教平さん

 【北海道・小樽】おたる水族館(小樽市)は、2月9日に新種とみられるカジカを発見したと発表。同水族館の三宅教平さんは「このオーラは新種かなと思った」と発見時の感想を語っています。

 カジカは、北海道では食用の魚として有名ですが、このカジカはこれまで世界で捕獲例のない深海性の種類で、学術論文で分類学的記載が行われていない未記載種です。同水族館飼育部の三宅さんが、2014年3月に八雲町熊石沖で現地の漁師と共に展示する北海道の深海魚類を採集中に発見しました。捕獲後、北海道大学・函館水産高校との共同研究の結果、新種のカジカと判断されました。現在、学術雑誌用に論文の作成を進めています。このカジカは全長10センチ弱で、体にある縞模様・頭部の毛の生え方などが一般的なカジカと違います。

縞模様、頭部の毛の生え方に違い

[写真]新種とみられるカジカ

 三宅さんによると、「おたる水族館では5年ほど前から北海道の深海魚の展示の強化を行っていて、全道の漁師さんの協力のもと、自分たちで採取を行っています。このカジカに出会ったときは『このオーラは新種かもしれない』と感じました。学生時代から個体を文献で調査するのが好きだったので、直感的にそう思ってすぐに調べました」と発見時の様子を語りました。

[画像]一般的なカジカ(いばらき魚顔帳ホームページより)

 全国的に見ても、国内で新種が発見されるのは1年に10例ほど。しかもおたる水族館としては初の新種の発見、三宅さんにとっても入館10年目にしての快挙となりました。
「お客さんの反応もさまざまで『可愛い』『意外に地味』などなどです。新種というと派手なイメージがあると思うんですが、このカジカは小さめで地味なタイプかもしれません。でも可愛さは抜群です。カジカは動くことが少ないので、写真撮影もしやすいですよ」と三宅さん。

[写真]水族館からは日本海を一望できる

 今後の予定としては「北海道の深海のいろいろな魚の展示を楽しんでもらうのと同時に、北海道のイメージでもある“大きい”をテーマに、ビックリするくらい大きな個体を集めていきたいと思っています。おたる水族館では、主に小樽の天然の海水と道産のエサで魚たちを育てていますので、ぜひ遊びに来てください」とのこと。

 この新種とみられるカジカは10日から一般公開が行われていて、個体の状態によって展示期間が決まるということです。冬期間の営業は3月1日(日)までで、通常営業は3月21日(土)からスタートします。

(ライター・橋場了吾)