人口の減少が目立つ中心市街地の活性化を図るため、徒歩で移動できる圏内に商業施設、住居などを集積しようという「コンパクトシティー」政策。青森市や富山市が先駆けとして注目されましたが、青森では中心の商業施設が不振にあえぐなど、成否の評価は分かれています。

青森や富山の取り組みは厳しい状況

[写真]香川県高松市の事例はコンパクトシティの好例となるか(写真は高松市街)(写真:アフロ)

 昨年8月に改正都市再生特別措置法が施行され、コンパクトシティーの定着を目指す地方自治体が、「居住誘導区域」や病院、商業施設などを集める「都市機能誘導区域」を設定することが求められるようになりました。

 その中で香川県高松市の「高松丸亀町商店街振興組合」は約20年をかけて居住者の増加とそこに住む人たちの老後を意識した街づくりを進めた結果、人気商店街として復活を果たしました。古川康造理事長は「離れた顧客を取り戻すという発想を変えて、居住者を取り戻すことが大切。住む人が増えれば放っておいてもお客さんは増える。そのために中心市街地の医・食・住の充実を進める」と話しており、市街地再生のモデルとしても注目されそうです。

 地方都市では車社会が定着し、郊外型のショッピングモール、チェーン店を中心にした大型飲食店がロードサイドに増える一方、従来の主要駅を拠点とした中心市街地では空き家が目立つ「シャッター商店街」が問題視されています。また自動車を運転できない高齢者などの交通弱者の問題や、地方自治体の財政逼迫で、郊外都市すべてに新設道路や上下水道の充実といったインフラを維持するコストが持たないといった問題も指摘され、こうした背景から中心市街地の再活性化を目指す「コンパクトシティー」構想が注目されました。

 路面電車を活用したコンパクトシティーを進めている富山市や、青森駅前の大型複合施設「アウガ」を核にした再開発を進めた青森市などが有名です。しかしアウガは開業後も客足が伸びず入居店舗の不振により、事実上の債権放棄が実施され厳しい状況が伝えられています。 行政主導により、当初から地元住民の購買力に合わない事業見通しを立ててしまったのではないかという批判も出ています。また富山市の隣接都市に大型商業施設が次々参入する計画があり、厳しい競争の中に置かれています。