Jリーグが産声を上げた93年にテレフォンサービスを開始した『J’s GOAL』 写真はJリーグファーストマッチセレモニー(写真:岡沢克郎/アフロ)

 Jリーグの公式サイトと公認ファンサイトの『J’s GOAL』が統合され、新たな公式サイト『Jリーグ.jp』が誕生してから3月1日で1カ月を迎えた。

 公式サイトは試合の公式記録や、Jリーグ及びJクラブが発行する正式リリースなどを中心に発信してきた。一方の『J’s GOAL』はJリーグの関連団体であるJリーグメディアプロモーションが運営し、2002年からインターネット版のサービスが開始された歴史を持つ。

 公式サイトと一線を画すために「サポーター目線」「スピード」「豊富なコンテンツ」の3カ条を掲げ、キックオフ前の各スタジアムの様子やグルメを取り上げた写真も数多くアップ。試合記録やコラム、監督会見の全文、移籍情報などを網羅し、スポーツ紙の関連情報へのリンクも行うなど、幅広い情報集積力で大きな人気を博してきた。

 Jリーグが2本柱としてきた、いわば似て非なる2つのサイトの統合が発表されたのが1月23日。直後からサポーターの間では困惑や反論が相次ぎ、実際に2月1日午前0時に新サイトがスタートした直後からさまざまな不具合が散見されたことで、統合に対する是非論が拡大してしまった。

 不具合の代表例はスタジアムグルメのタブをクリックすると、J1とJ2の全スタジアムのお勧めグルメが牛たん丼となっていたこと。人気フォトランキングの写真説明ですべて同じ文章が使われていたことや、一部チームのロゴをクリックすると公式ホームページとは異なるサイトにリンクする状況も生まれた。

 これらの不具合はシステム上のトラブルが原因であり、いっさいのタイムラグを生じさせることなく新サイトに統合・移行させようと急ピッチで作業を進めた反動が出たともいえる。いま現在ではもちろん修復されているが、ファンやサポーターがもっとも首をかしげたのが、昨シーズンまでの戦績データを含めた『J’s GOAL』の豊富なアーカイブが新サイトで閲覧できない点だった。

 新サイトの現状を検証していく前に、2つのサイトが統合されるに至った経緯をまず振り返りたい。

 Jリーグ内で統合に対して最終的なゴーサインが出されたのが昨年10月。その理由として、統合作業を担当してきたJリーグの事業・マーケティング統括本部の出井宏明本部長は「一昨年くらいから、旧公式サイトの位置づけそのものが少しずつ変わってきた」とこう振り返る。

「新しいファンの方にスタジアムへ足を運んでほしいという狙いから、公式記録や正式リリースだけではなく、ファンやサポーターへ向けた情報発信も公式サイトで取り扱うようになりました。象徴的な企画が、昨年8月限定で開催した『Jリーグ動画祭り‐2014年夏‐』です。スカパー!さんの協力で実施したところ、月間の再生回数が約320万回に達しました。公式サイトとファンサイトとでコンテンツが寄ってきた結果として、ユーザーの重複がかなり顕著になってきたんです」