花粉症の方の必需品となっているマスク。これまで花粉の侵入を防御するために使われてきました。富士通はチタンアパタイトを使った技術で花粉を吸い着けて、分解できるマスクを商品化しました。花粉症のお悩みを、きれいな空気で軽減します。

国民の3人に1人が花粉症。花粉対策マスクに光触媒技術を応用

[写真]東京大学と富士通研究所で共同開発したマスク

毎年春先になると花粉症に悩まされる人も多いのではないでしょうか。厚生労働省によると、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした調査で約30%の人が花粉症だったとされています(注1)。もはや国民の「3人に1人」が花粉症と言えるかもしれません。

花粉症は、スギ花粉などにアレルギーの原因となる物質を、おもに鼻や口から吸い込んでしまう、花粉が目の周りや鼻腔に付着してしまうといったことで引き起こされると考えられています。「目がかゆい」「鼻水が出る」といった症状をはじめ、倦怠感を感じてしまうなど、引き起こされると考えられる症状は人それぞれ。そんな花粉症の対策として有効とされている方法の一つが、マスクの着用です。

じつは、花粉症対策用のマスクにも富士通の技術が活かされています。それが「光触媒技術」。富士通は東京大学先端科学技術研究センターと共同で、新しい光触媒材料である「チタンアパタイト」を開発し、その材料を花粉対策用のマスクにも応用しています。

(注1)鼻アレルギー全国疫学調査

抗菌効果のある光触媒をなぜ花粉対策マスクに応用したのか

チタンアパタイトという光触媒を、なぜ花粉対策用マスクに応用したのでしょうか。歯や骨の無機成分である「カルシウムヒドロキシアパタイト」という物質は、空気中に浮遊する細菌、ウイルスなどを吸着する機能に優れています。また、光触媒は、太陽光を浴びることで細菌やウイルス、汚れなどの有機物を水と二酸化炭素に分解する働きをします。そこで、カルシウムヒドロキシアパタイトに光触媒の機能を持たせれば、吸着した細菌やウイルスを太陽光で分解できるのではないか――。そこで開発したのが、カルシウムヒドロキシアパタイトのカルシウムの一部をチタンイオンで置換した「チタンアパタイト」です。もともとは携帯電話やパソコンなどに光触媒効果を持たせる為の材料として検討していましたが、細菌やウイルスを吸着・分解する機能があることから、マスクに塗布すれば、空気中を浮遊する花粉を吸着して分解できるようになるはず。そんな考えから、この技術を花粉対策用マスクに応用したのです。