光で伝える ―LEDによる新しい情報伝達技術

混雑した博物館内で展示を見る際、スマートデバイスを遠くからかざすだけで手元の画面で解説を読むことができたり、CGによるアニメーションで展示の細部を楽しむことができたら、作品鑑賞にもっと新しい体験が加わるのではないでしょうか。

このような、リアルにあるモノとデジタル情報との結びつきを、もっと簡単に実現できないだろうか――そう考えた研究者が着目したのが「光」でした。

光を媒体とした情報通信は古くから研究されており、たとえば光ファイバーによる高速データ通信は、インターネットの基盤として広く利用されています。しかしそのような光を使う通信技術では、発信や受信に専用装置を用いるものが多く、誰もがどこでも手軽に使えるというものではありません。

今回ご紹介する富士通の「LED通信技術」は、これまでの「光」を用いた通信技術とは異なり、専用装置を用いなくても誰もが手軽に使える通信技術です。ベースとなったのは、富士通が長年にわたって研究してきた、TVの映像に情報を埋め込み、それをスマートデバイスで読み取る技術。たとえばTVショッピングの番組では、スマートデバイスをTV画面に向けるだけで、気に入った商品を購入するサイトへアクセスできるという形で使われています。

TVの映像ではなく、LED照明の光に情報を埋め込むことができたら「誰もがどこでも手軽に使える」情報通信を実現できるはず――。そうして開発されたのが、LED通信技術です。この技術が広まれば、「気になったら、スマートデバイスをかざしてみる」――そんな行動が広く流行するかもしれません。

LEDの光に情報を埋め込む

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LED通信技術とは、光の3原色(Red、Green、BlueのRGB)に対応した各LEDの、発光の強弱を精密にコントロールすることで、人の目には分からない形で情報を埋め込む技術です。スマートデバイスの読み取りアプリケーションを用いて、その光の微妙な変化から情報を抽出します。そして、受け取った情報(コード)をクラウドのサーバに問い合わせると、コードに対応したコンテンツや情報を入手することができます。