5年ぶりに復活する『M-1グランプリ』が、当初予定していた今夏開催を延期し、冬の開催に変更となった。これにより、2011年より毎年12月に行われていた『THE MANZAI』と開催時期が被る可能性が出てきて注目を集めている。

ありがたい反面、“芸人泣かせ”でもある同時期開催

 両大会ともに“日本一の漫才コンビ”を決定する大会をうたっているだけに、開催時期が被る影響は大きそうだが、バラエティ番組を手掛ける放送作家はこう指摘する。

 「このところ、ネタ番組が減っているだけに、『M-1』復活は芸人たちにとってはありがたいこと。しかしその一方で、日本一を決める大会が2つ、しかも同時期にあるというのは、“芸人泣かせ”でもある。両大会とも、テレビ放送される決勝ラウンドには、『ファーストステージ』と、『決勝ステージ』があり、最後まで勝ち抜くとなると1つの大会で最低2つはネタが必要になる。多くの芸人は、それこそ長い時間をかけて、舞台やテレビで何度も試し、“場数”を重ねることで1つのネタを作り上げて完成させていくもの。仮に同じネタで2つの大会を勝負することになるとしたら、ネタの“新鮮さ”は薄れ、芸人はもちろん、後から放送する番組にとっても大きなマイナスになるでしょう」

審査方法への異論噴出がさらに激化!?

  また、こんな“珍現象”も起こる可能性があるとか。

 「“同じネタ”で参加した場合、一方の大会で予選落ちしたコンビが、もう一方の大会で決勝まで進むといったケースもあり得る。そうなると、ただでさえ、毎回異論の噴出する審査方法を疑問視する声がさらに高まってくるでしょうね」(バラエティ番組のディレクター)

 こうした背景もあり、同時期の開催となれば、当然“差別化”を図りたいという思いは、両大会ともに強いだろう。そうなると、同じ出場者が同じネタで出場することは、避けたいところではある。
そうした中、注目なのが両大会の出場資格である。

 『M-1』が「プロアマ問わずコンビ結成10年未満」、『THE MANZAI』が「プロの漫才師であること」となっており、一応の差別化はなされている。

 その“特性”を活かすことこそが、両大会が盛り上がる要素だと芸能評論家・市川大介氏はいう。

 「『M-1』はアマチュアにも門戸を開放していたが、なかなかプロを脅かす存在が出てこなかった。過去には、“史上最強のアマチュア”という触れ込みで決勝進出を果たしたコンビもいたが、結果は散々…。新生『M-1』では、プロとそん色のない最強のアマチュアコンビの誕生に期待したい。一方、『THE MANZAI』はプロの漫才師に出場資格を限定しているにもかかわらず、大御所の漫才コンビの出場は皆無。『M-1』と差別化するならば、若手コンビに往年の実力派漫才師をぶつけてみたりしても面白い」