[写真]夜景空撮の苦労について語る写真家・KEN五島さん

 【北海道・札幌】JR札幌駅直結のショッピングモール・札幌エスタの11階にあるプラニスホールで「The Night View from the Sky 札幌夜景空撮展」が開催されています。この展示は、同じくJR札幌駅直結の札幌JRタワーのアートプロジェクトの一環として、そして12周年記念イベントとして開催されるもので、札幌在住の写真家・KEN五島(けんごしま)さんによる作品をおよそ40点展示しています。

 五島さんは愛知県出身で、1999年に労働者が去った夕張の炭鉱街を見たときの衝撃が写真を撮影し続ける原動力となっているといいます。2001年に当時の活動拠点である東京から札幌に移住、炭鉱遺跡や建築物の写真を撮影していましたが、カメラの高性能化に伴い夜間撮影に対応できる機種が開発されこともあり、セスナ機をチャーターし札幌の夜景を撮り続けています。

セスナから空撮する難しさ

[写真]展示会初日にはKEN五島が参加したトークショーも

 イベント開催初日にはトークイベントが開催され、五島さんが北海道にやって来た理由や夜景撮影を始めたきっかけなどを語り、たくさんのカメラファンがそのトークに耳を傾けていました。

 五島さんが北海道を訪問したきっかけは「北海道の大きな空・どこまでも続く道を自分の目で確かめたかった」ことでした。ツーリングでやってきたそうですが、飛行機や山登りも好きということもあり、北海道の空にも興味があったそうです。

「1999年に炭鉱遺産に初めて出会って撮影する機会が増えたんです。東京の仕事と北海道の仕事を両立していく中で、ちょっと軽いノリではあったんですが、思い切って札幌に移住しました。それが2001年ですね。炭鉱遺産を撮り続けていく中で人脈が広がって、建築写真にも出会えて炭鉱遺産の仕事は2010年に一区切りつけました。それから夜景空撮を始めたのですが、ここ1年の活動をまとめたのが今回の展示になります」(五島さん)

[写真]札幌の美しい夜景の空撮写真に見入る来場客ら

 夜景空撮の一番苦労している点は「炭鉱遺産や建築写真は空間をいかにとらえるかにかかっているんですが、空撮の場合セスナ機で移動しながら撮るので、静止物のように何度も訪れて丁寧に撮影することは難しいんです。イメージトレーニングが大切なのは同じなんですが、事前の想像力が勝負みたいなところがあります。今日のフライトではこう撮る、というイメージをしっかり持って、30分という制約を自分で設けて集中するという感じですね」とのこと。

 北海道ではセスナ機をチャーターして夜景を撮影している唯一のカメラマンの五島さんは、多くの関係者から北海道一、日本一のカメラマンへの期待をかけられています。

 「札幌は被写体として多くの先輩が撮影し尽くした場所なので、自分ならではの撮影をしようと思い、夜景空撮を行っています。今後は、東京、大阪、福岡といった日本の大都市はもちろん、ニューヨーク、パリ、ロンドンなど世界の大都市の夜景空撮をしてみたいですね」と五島さん。これからも、誰も見たことのない視点からの撮影に期待がかかります。

 「The Night View from the Sky 札幌夜景空撮展」は3月29日(日)まで開催・開館時間は10時から19時、入場料は一般・大学生が300円、JRタワースクエアカード会員・高校生以下が無料となっています。

(ライター・橋場了吾)