感動的な凱旋勝利を挙げた広島の黒田博樹(40)の次戦先発は4月4日の中日戦(ナゴヤドーム)になりそうだ。

 開幕投手の前田健太(27)が、124球の力投を見せたため、予定通りに中5日で、今日31日からの横浜3連戦の3つ目に先発できるかどうかが微妙だった。だが、順調な回復を見せているため当初のプラン通りにローテーションを守ることが可能となり、31日からの横浜戦は、大瀬良大地(24)、野村祐輔(26)、マエケンの3人、続く3日からのアウエーでの中日3連戦には、ジョンソン(31)、黒田、福井優也(27)と続くローテーションが組まれた。4月7日からは、巨人、阪神の6連戦だが、ここにも大瀬良、野村、マエケン、ジョンソン、黒田、福井の6人が、今度は中6日で登板予定。その次のカードも同じく6連戦で、よほどのことがない限り、黒田は、そこでも中6日登板となる方向だ。

 メジャーでは、基本的に年間、33試合前後の先発登板で200イニングのクリアをローテーション投手の責務として課せられていたため、1試合の球数は100球前後に抑え、基本的には中4日の登板間隔を守ってきた。だが、日本では環境も野球観も違う。首脳陣と黒田の間では、どういう登板間隔と球数で回していくのかについて、綿密なコミュニケーションがとられてきた。その中で黒田自身が、「中5日でも大丈夫」という意向を首脳陣に伝えているため、当面は、中5日、中6日の間隔で回していくことが決まったようである。もちろん、黒田の疲労の蓄積度や試合日程などを睨みながら登板予定は、考慮されていくが、黒田も、中5日、中6日登板を歓迎している。

 広島時代はミスター完投と呼ばれるほど完投数が多かった。だが、メジャーに移籍してからは、完投へのこだわりは消え、むしろ100球でゲームを作り、シーズンを通して安定した内容でローテーションを守る方がチームへの貢献度が高くなるというクオリティピッチングを最優先させるメジャー式の思考に変わったという。日本でも阪神に「JFK」が誕生したあたりから、クオリティピッチングの考え方が、徐々に浸透してきてはいるが、黒田は“日本流の中5日方式”で広島に優勝を導きたいという決意なのだ。

 評論家の与田剛氏も黒田の中5日登板には大賛成だ。

「年齢的に中4日で1シーズンを回すのは厳しいと思います。体のリカバリーが満足にできない状態で、もう 次の登板が回ってくるというサイクルでは安定した結果を最後まで通すことは難しいでしょう。今の黒田選手にとっては、中5日、中6日と登板間隔が開いたほうが間違いなくプラスです。初登板を見てもわかりますが、あれだけの制球力と変化球の動きがあるならば、コンディションさえ維持できれば確実に結果につながります。勝ち負けというのは、打線や黒田選手の後を受ける中継ぎ、抑え投手の出来ともかかわることなので簡単には予想できませんが、100球前後で7回、8回までをしっかりとゲームメイクできれば、ベンチも計算を立てやすくなりますしトータルで見てチーム貢献の度合いが高まります。ベストパフォーマンスを出せる登板間隔を本人とベンチが決めるべきでしょう」

 メジャーでもトミー・ジョン手術が必要となるピッチャーの増加に伴い、先発6人制の中5日登板論という意見が浮上してきている。黒田の中5日ローテーションが成功を収めれば、その考え方がメジャーに輸出されることにも発展するのかもしれない。