スマホ向けのコンテンツ・キュレーション・アプリを提供するグノシー(Gunosy)が4月28日に上場します。スマホ向けのキュレーション・サービスは収益化しにくいといわれてきましたが、グノシーの上場でその見方は変わるのでしょうか。

[画像]グノシーのホームページ

 グノシーは、利用者のツイッターにおけるツイート内容やフェイスブックの情報、はてなブックマークの情報などから、個人の好みをシステムが判断し、本人に最適化されたニュースを配信するサービスです。現在、同社のアプリの累計ダウンロード数は800万を突破しています。

 同社が法人化したのは2012年ですが、このころ、スマホをベースにしたコンテンツ・キュレーション・サービスが数多く立ち上がりました。一般的な話題や生活情報などを扱うサービスはともかく、ニュースが主体のキュレーション・サービスは収益化が難しいと考えられてきました。利用者は購買を目的にアプリを見ているわけではなく、興味関心の対象は基本的にコンテンツにあるからです。

 グノシーは当初、ニッチな利用者を想定したサービスという位置付けでしたが、2014年に入るとKDDIなどが相次いで出資。マス向けに媒体のリニューアルを行い、収益化に向けて舵を切り始めました。

 収益源は今のところほとんどが広告です。グノシーの画面には記事と並んで広告が表示され、広告の種類によりますが、クリックされるか閲覧されることで広告主に課金されます。また配信されるニュースの中にも広告が挿入されており、同様に、クリックされるか閲覧されることで課金となります。これは、従来のWeb媒体とまったく同じであり、スマホになったからといって仕組みが変わったわけではありません。

 2014年5月期の売上高は約3億6000万円、純損失は約14億円と、赤字先行になっています。しかし2015年5月期の半期決算(2014年11月)の売上高は約13億円、純損失は3億円、第3四半期(2015年2月)の売上高は22億円、純損失は1億円となっており、収益は順調に改善しています。このまま業績の拡大が続けば、早期に黒字化を達成できる可能性があります。黒字化はステップのひとつにすぎませんし、時価総額が極めて高いことを考慮に入れると、今後、利益を大幅に拡大できない限り、投資家からの信頼を獲得することは難しいでしょう。

 しかし、ニュース主体のキュレーション・サービスに黒字化のメドが立ったということは、注目に値します。媒体がスマホであれ、Webであれ、直接購買に結び付かないコンテンツでも収益化できることが確実になったからです。同社と同じようなビジネス・モデルを採用する企業が同様に収益を拡大できるのか注目されます。

(The Capital Tribune Japan)