テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」の生放送中に、司会の古館伊知郎氏の静止を遮り、TVコメンテーターとしての自身の「降板」について語った元経済産業省官僚の古賀茂明氏。「官邸からの圧力」を指摘した古賀氏とテレビ朝日に対し、安倍政権は「放送法」を持ち出して牽制、テレビ朝日の早河洋会長は「私的なやり取りのようなものが番組内で行われたことは遺憾」と陳謝した。そもそも、テレビ番組のコメンテーターの役割とは何なのか。今回の騒動をどう見るべきなのか? TVコメンテーターの経験もあるジャーナリストの江川紹子氏と青木理氏に話を聞いた。

江川紹子「人が考える材料を提供するのがコメンテーターの仕事」

江川紹子「人が考える材料を提供するのがコメンテーターの仕事」

――番組後、すぐにツイートされましたね。「公共の電波で自分の見解を伝えるという貴重な機会を、個人的な恨みの吐露に使っている人を見ると、なんとももったいないことをするのか……と思う」。どこに問題が?

江川紹子:自分が降板させられたということに対する抗議は、あってもいいと思います。でも、番組のなかでやることではないでしょうね。たしか、イエメン関連のニュースのなかで意見を求められた際に、突然違う話を持ち出していましたが、問題だと思います。

ーー江川さんは、TBS、日本テレビ、フジテレビ、テレビ朝日などの報道番組や、ワイドショーなどの情報番組でコメンテーターをされ、テレビ朝日の情報番組では、毎週何曜日という形でのレギュラーでした。コメント内容は事前に制作側、テレビ局側と相談するのですか。

江川:そんなことはありません。何を言うかは、まったく自由でした。ごくまれに、スポンサー絡みで、「この部分はコメント無しでお願いします」、と言われることがありましたが、基本的に自由でした。コメントを求められるだけじゃなくて、こちらから口を挟むこともできましたので、制約を受けたという記憶はないですね。

 私が追いかけていたオウム事件を扱う場合は、その問題だけを専門家として聞かれるケースがほとんどでしたが、レギュラーのコメンテーターになると、さまざまなことが話題になります。新聞を見ながら番組を進めていた、ある情報番組では、ほとんどの場合、スタジオで何が話されるかは、当日までわかりませんでした。

 専門的な話もありますので、事前に打ち合わせをする場合はあります。例えば、オウム事件についてであれば、番組前に、「こういうVTRがあるので、それについてコメントをください」というようなことはありました。こちらからコメントする内容を、事前に伝えることはありません。そこは(局側とコメンテーターの)信頼関係ではないでしょうか。