「9秒99」は人生をかけて出したいタイム――。陸上男子100で10秒07の記録を持ち、セイコーホールディングスに入社した山縣亮太(やまがた・りょうた)は、2日の入社発表会見でそう夢を語った。会見後、THE PAGEのインタビューに応じた山縣は、「10秒の壁」突破への思いやライバルである桐生祥秀(東洋大)との関係について語った。

(以下、インタビュー全文)

【動画】山縣亮太 夢の10秒突破への思い「9秒99は通過点」

[写真]セイコーホールディングス入社にあたり、会社から贈呈された腕時計をつけてポーズを取る山縣亮太

――「10秒の壁」を突破する意味は?
山縣:そうですね。9秒台、先ほど(入社発表会見で自らが掲げた)9秒99っていうタイムが、すごい出てますけど、自分がその9秒台っていうのは、自分がこう、最終的な目標は、やっぱ世界のトップ選手になることなので。そういった意味では9秒99っていうのはただの数字じゃなくて、なんて言ったらいいのかな、僕にとっては「通過点」であって、そういう決意のこもった数字なので、そういったふうに意識をしています。はい。

――「9秒台」のどのくらいまでを狙う?
山縣:そうですね。桐生(祥秀)が追参(追い風参考記録)で「9秒87」を出したから、僕も「(9秒)87」は公認(記録)で出したいですね、とか言って。みたいなことは思いましたけど、そういうふうに思えるのも桐生のおかげだし、彼が走ったっていうことで、自分にもできるんじゃないかっていう、やっぱそういう気持ちにもなるし。本当に刺激を受けてます。

――大台突破にはメンタル面が大きい?
山縣:大きかったですね。本当は、桐生っていう助けを借りなくても自分で本当は壁を突破できるくらいの、そういう気持ちになるべきだったと思うんですけど、まあでも今回、9秒台の壁っていうのが彼のおかげで、少し自分の中で和らいだ部分はあったので、しっかり壁を突破していきたいと思います。

――桐生の走りに焦りを感じた?
山縣:やっぱり彼が速いってことは、つまり自分に足りないものを持ってるって、やっぱりことだし、自分は日本で一番足が速い選手でありたいので、自分のその、なんか足りない、無力な部分って言ったらいいんですかね、そういったことを考えると、このままじゃいけないなっていう、そういう焦りをやっぱり感じますし。本当に自分の課題っていうのは何なんだろうっていうことをやっぱり、考えさせられましたね。はい。

――大台突破への具体的な課題は?
山縣:そうですね。やっぱりまず、パワーが足りないんだろうなっていうこと。パワーって別にこう、力を付ければ単純にパワーが上がるかってそういう話でももちろんないんですけど、走りに必要なパワーが、まず自分には足りないっていうこと。それからパワーとも関連はしてくるんですけど、やっぱり今回テキサスを桐生とか9秒台の選手と一緒に走って思ったことは、自分はピッチが足りないですね。回転数がちょっと遅いです。はい。その辺はすごく思いました。

――「追い風」は走りやすい?
山縣:でも、あんまり本当は僕、強く吹くと体がこう、前に行きすぎて、足が後ろに残りすぎて、走りにくかったりもするんですよ。なので単純に、ある程度弱い追い風だったら吹かれた方が速い、もちろん速いのはあるんですけど、あんま強すぎてもそれはどうなのかなって思ったりする部分は、僕の感覚としてはあるので。

――フォームが崩れたりとか。

山縣:崩れたり、そうですね。今回の桐生はうまく走ってたなと思いますけど、最後まであんまり崩れてなかったし。

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