[写真]名護市辺野古への新基地建設に反対して米軍基地ゲート前の抗議行動に参加する稲嶺進名護市長(前列右から2人目)=1月27日、沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ前(滝本匠氏撮影)

 沖縄の米軍普天間基地の移設計画を巡り、翁長雄志・沖縄県知事と菅義偉官房長官が初めて会談した。菅氏は辺野古への移設工事を進める考えを伝え、翁長氏は反対、会談は平行線のまま終わった。そもそも、移設については、昨年の名護市長選、名護市議選、沖縄県知事選、衆議院議員選で、「県内移設反対」を掲げる候補者や政党が勝利し、政府と沖縄県の「民意」の対立は深まっていた。こうした沖縄の現状をメディアはどのように伝えているのか。辺野古移設反対運動をめぐる、沖縄のメディアと東京に本社をおくメディアの報じ方には、どのような違いがあるのか。沖縄県を中心に発行される日刊新聞、琉球新報の滝本匠記者に寄稿してもらった。


 沖縄県内の二つの地元紙には毎日のように掲載されているコーナーがある。新聞の一番終面の社会面にある「辺野古ドキュメント」(琉球新報)「辺野古の動き」(沖縄タイムス)だ。沖縄本島北部の名護市辺野古で、政府による米軍基地建設に反対する市民らの前日の動きを時系列でまとめている。3月31日の「辺野古ドキュメント」は、「7時58分すぎ 県警機動隊が(米軍基地の)ゲート前で座り込んでいた市民の排除を始める」などと伝えている。

 反対する市民らは毎日、米軍基地のゲート前や海上での抗議行動を続けている。沖縄県内のメディアも連日、陸から海から取材し現場の動きを紙面化している。東京の政府の動向も含め、毎日の紙面で辺野古関連の記事を見ない日はない。

「有事」の取材体制

 新聞記者は通常、担当を持っている。辺野古の出来事は北部地域の記者が担当するのが「通常」だが、現在は社を挙げて辺野古取材に当たる「有事体制」を取っている。普段は沖縄の芸能などを担当する文化部や、企業回りや沖縄観光の動向などを取材する経済部の記者までもが日替わりで取材班に加わっている。

 海上でカヌーの抗議行動を取材するため朝から船に乗り込む記者や、陸域から沖合まで見渡す展望台で海上作業の動向を監視する記者、基地のゲート前で資材搬入への抗議行動を取材する記者──。抗議行動の開始とともに、複数の現場へ記者を配置する取材体制が常態化している。

 ゲート前の座り込み抗議行動は2014年7月7日から続く。政府は、沖縄本島中部の米軍普天間飛行場を辺野古沖を埋め立てて移設する計画で、工事に反対する市民らは作業開始を警戒して監視を始めた。平日でも100人を超える市民らがゲート前の座り込みに参加している。

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