[写真]4月23日、羽田空港で日本初披露されたホンダジェットと伊東孝紳社長(中央)ら(ロイター/アフロ)

 ホンダと言えばクルマとバイクの会社。終戦後軍から放出された通信機用発電エンジンを自転車に取り付けるところからスタートしたホンダは、二輪車で世界を席巻し、四輪車の世界販売台数でも8位を獲得するなど、日本企業のスタープレイヤーの一社だ。

 さらに昨年は話題をさらったビジネスジェット機の投入で、航空産業にも参入した。実はホンダはクルマとバイク以外にも多彩な製品ラインナップを持っている。今回はジェット機から耕うん機、噴霧器まで「動力機関」を用いたホンダのユニークな製品をまとめてみたい。

【写真】日本初飛行、ホンダジェットってどんなジェット機?

■飛行機

[写真]ホンダジェット試作機2006年。エンジン搭載位置だけでなく、機首の形状も研究の末たどり着いた低抵抗形状。また機体にはカーボンも導入されており、多くの革新的な取り組みによって画期的な性能を達成しているのだ

《ホンダジェット》約5億4000万円

 23日に羽田に到着し国内初お披露目を果たしたホンダジェットは、ホンダの子会社である米国のホンダエアクラフト(HACI)が開発したビジネスジェット機だ。

 従来ビジネスジェット機と言えば、胴体後部にエンジンを搭載するのがセオリーとなっていたが、ホンダはまさにホンダらしい革新的な手法で、エンジンを主翼の上に搭載することに成功した。

 実は胴体後部にエンジンを搭載すると、キャビンスペースが侵食されるという問題点があったのだが、翼の上にエンジンを乗せる方式は空力設計が難しく、これまで例外的な事例しか存在しなかった。

 なんでそういうことになっていたのかと言えば、旅客機のキャビンスペースを有効に使うためには、主翼の取り付け位置は低い方がいいということが大前提にある。クルマの例えで恐縮だが、クルマのサスペンションアームは当然のごとくシャシーの頑丈なフロア部分に取り付けられている。当然飛行機の主翼も同じだ。飛行機の場合も構造的に一番強度が出るのは床板部分になる。だから、できる限り主翼の付け根をこの床板で強度が上がっている部分に持ってきたいのだ。

 主翼の位置を上げれば、主翼のためにその部分の強度構造を上げなくてはならず、機体が重くなる上、構造部材によってキャビンスペースが削られてしまうことになるからだ。

 言うまでも無いが、ビジネスジェットは大型旅客機に比べて機体が小さい。床の高さに主翼を配したらその下にエンジンを吊り下げる大型旅客機と同じレイアウトは取れない。「では主翼の上に……」とは行かないのは、翼の揚力は翼の上下で空気の流れる速度が違うことによって発生しているからだ。流れの速い側に引っ張られることで飛んでいるのだから、翼の上に空気の流れを阻害するものを置くのはダブーとされてきたのだ。

 「上にも下にもつけられないなら胴体に……」ということで、ビジネスジェットの場合、行き場の無いエンジンはこれまで胴体後部に取り付ける他に方法がなかったのである。しかしそれでは前述の様にキャビンスペースが削られるし、エンジンの推力を引き受けるために胴体後部を補強しなくてはならない。

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