デビュー戦でゴールを奪った久保(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

 FCバルセロナの下部組織を退団して、FC東京U‐15むさしに移籍したU‐15日本代表FW久保建英(13)が5月31日、マリノスタウンで行われた関東ユース(U‐15)サッカーリーグの横浜F・マリノスジュニアユース戦(40分ハーフ)に先発出場。公式戦デビューを技ありの初ゴールで飾った。

 真夏を思わせる強烈な日差しに照らされた天然芝のピッチ。ゴール裏の一角に設けられた取材エリアには、7台のテレビカメラが並んでいた。一挙手一投足を追われていたのは『36』番を背負い、3トップの右でプレーしていた163cm、52kgの小さな天才だった。

 リーガ・エスパニョーラの名門を魅了した才能が眩い輝きを放ったのは、1点のリードで迎えた前半37分だった。ペナルティーエリア内でパスを受けると、利き足の左足でシュートを打つと見せかけながら冷静に状況を見極める。次の瞬間、ボールを右足に持ち変えて、インサイドキックで確実にゴール右隅を射ぬいた。

 新天地での初陣で決めた一発には「伏線」があった。前半11分。ゴール前の右サイドでボールを受けた久保が、そのままゴールラインと平行するようにドリブルで左側へ進む。繰り返される細かいステップとボールタッチに、マリノスの選手は間合いに侵入できない。

 タイミングを見計らい、振り抜かれた久保の左足から放たれた強烈なシュートは相手の必死のブロックに防がれた。視察に訪れていたU‐15日本代表の森山佳郎監督は、「あれが『表のシュート』になった」と独特の表現で久保の初ゴールを高く評価した。

「左足を見せて、右足で決めた。あのように『表』と『裏』をもっていないと厳しいと思うし、その意味では左足で蹴るぞと見せかけて、切り返してから右足で決めたのは面白いゴールだったかなと。相手は『表』がくるとわかれば必ずそれを防ぎにくるので、そこで『裏』があれば『表』もまた光る。だからこそ、『裏』も見せられたことはよかったですよね」

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