「イヤホン運転」は安全講習の対象ではない

 では、この規則に基づいて、6月から自転車のイヤホンが“アウト”になったのか? 警視庁の交通相談センターに問い合わせると、「今回、安全講習の対象となる14の危険行為に、自転車のイヤホンは含まれない」と、明確な答えが返ってきた。

 もちろん、イヤホンをして外部の音が聞こえない状態で運転することは、道路交通規則が禁じる。ただ、センターの担当者は「仮にお巡りさんに『停まって』と声をかけられて停まれば、聞こえているわけですよね。であれば違反にならない。もしそのまま行っちゃったなら、聞こえていない。そうしてやっと都の交通規則に触れる。現場の判断になりますが、悪質であれば検挙され、5万円以下の罰金、になります。でも、それは6月から始まる安全運転講習とは、全く別の話ですよ」と説明する。

 神奈川県警のサイトでは、自転車運転に関して「片耳でのイヤホンの使用は、『安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態』とはならないため、違反となりません」と書かれている。警視庁の場合、現場のお巡りさんは、両耳か片耳かを問わず、「自転車でイヤホンをしていると、危ないので、しないように」と指導をしているという。しかし、あくまで任意の指導に過ぎず、イヤホンをすること自体は、違反にならない。

 警視庁と神奈川県警も、判断基準としてはあくまで「音が聞こえるかどうか?」であって、両者のスタンスに大きな違いがあるわけではないようだ。

 同センターによると、安全講習の対象になる14項目中の「安全運転義務違反」に当たるかどうかは、事故などが起きて、実況見分などの結果、やっと安全運転義務違反、という判断が下される。単に携帯電話を使用していた、音楽を聴いていた、という事実のみで決められるものではない。

 今回のケースは、ネット上での誤解の広がりやすさ、その危うさを浮き彫りにしたともいえそうだ。

(記者・メディアコンサルタント/坂本宗之祐)

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