LIXILグループは8日、2016年3月期の連結純利益が前期比86%減の30億円になる見通しを明らかにしました。中国の子会社の債務保証330億円を特別損失に織り込んだことが主な原因です。同社は海外事業を積極的に展開していますが、同社の海外事業は大丈夫なのでしょうか。

[写真]連結純利益が前期比86%減の30億円になる見通しを明らかにしたLIXIL

 LIXILグループは2014年1月、ドイツの住設機器大手グローエを約4000億円で買収しています。グローエは、中国の水栓金具メーカーであるジョウユウを傘下に抱えています。ジョウユウは、中国で4000カ所以上の販売ネットワークを持っており、グローエの買収は欧州における基盤を確立すると同時に、中国市場の足がかりを得るためでもあったわけです。

 ところが、ジョウユウは2015年5月22日、同社の純資産や利益といった財務状況が実態と乖離していたとして、ドイツ・ハンブルグ地方裁判所に破産手続きの開始を申請しました。LIXILはグローエを通じてジョウユウの株式を保有していることになりますから、LIXILも損失の計上を迫られることになりました。

 単純に業績が悪化したケースとは異なり、過去の決算が実態と乖離していたわけですから、決算も過去に遡って訂正されることになります。2014年3月期の決算において特別損失238億円を計上したほか、2015年3月期の決算では、追加で取得した株式の評価損など約90億円の損失を計上することになりました。しかし影響はそれだけにとどまりません。LIXILはジョウユウに対して債務保証を行っており、2016年3月期にはその債務保証分の損失330億円を計上する必要に迫られています。このため2016年3月期の純利益は大幅に減少する見通しとなっています。

 LIXILグループからはジョウユウの監査役会に人を出していますが、こうした事態を把握することはできなかったようです。またなぜ、LIXILがジョウユウに対してこれだけの債務保証を行っていたのかという経緯も今のところはっきりしていません。

 先月は、東芝が不適切な会計処理があったとして、過年度決算の修正を発表しました。東芝は社内における会計ルールの問題でしたが、LIXILのケースは海外におけるグループ会社の実態把握が不十分だったことが原因です。同じ不適切な会計処理でも、東芝とはまた別の対策が必要となるでしょう。

 特にLIXILの場合は、積極的な海外M&Aを基本的な成長戦略に据えてきた会社ですから、影響は甚大です。今回の原因究明や対策が不十分と認識されてしまった場合、同社の基本戦略そのものに疑問符が付きかねません。

(The Capital Tribune Japan)