なでしこジャパン帰国会見 左から宮間、佐々木監督、野田女子委員長(写真:伊藤真吾/アフロスポーツ)

 女子W杯で準優勝したなでしこジャパンが帰国した。

 大会前は代表メンバー23人中17人が前回大会を経験しているということや、日本で開催された2012年U-20女子W杯で3位になった“ヤングなでしこ”から1人も選ばれなかったことなどから、世代交代失敗のゆくえを危惧する声も挙がっていた。

 けれども、終わってみれば2大会連続の決勝進出であり、ロンドン五輪を含め、主要世界大会で3連続ファイナリストという、称賛されるべき結果だ。

 佐々木則夫監督は「終わったとは悔しさもあったが、よくここまでやってくれたというすがすがしさがある」と充実感を漂わせた。選手たちからも「決勝戦後は悔しかったけど、世界2位というのは誇れる結果」(岩渕真奈)、「日本人のボール扱いのスキルは世界で通用する。それは自信を持っていいと思った」(宇津木瑠美)という声が聞こえた。

 しかしながら、現状のままでは未来に危険信号が待ち受けることになるという認識を持っているのは、指揮官も選手たちも一緒だ。来年のリオデジャネイロ五輪の先には2020年東京五輪がある。その前に2019年女子W杯フランス大会もある。「女子サッカーをブームではなく文化にしたい。そのためにも勝ち続けていかなければいけない」(宮間あや)ということからも、もう待っていられないのが世代交代だ。

 5月1日の代表メンバー発表会見。佐々木監督は、「『若手を未来のために』というイメージもあったが、最終的には連覇という目標から逆算し、戦える意識の高い選手と、ピッチ外でのバランスを踏まえて選んだ」と、選考に苦悩があったことを吐露していた。

 サッカーの世界では、2006年ドイツW杯で優勝したイタリア、2010年南アフリカW杯で優勝したスペインが、主力をほとんど変えずに挑んだ次のW杯でいずれもグループリーグ敗退を喫したという、厳しい実例がある。メンバーの固定化はチームに停滞をもたらし、土壇場でのパワーに欠けてしまいがちなのだ。

 ただし、なでしこの場合は手を打ってこなかったわけではない。佐々木監督は、昨年5月の女子アジア杯や同9~10月のアジア大会で複数の10代選手を含む多くの若手を抜擢。公式の国際大会で経験を積ませながら、カナダ女子W杯で世界一メンバーに割って入る選手の発掘に力を注いできた。
 けれども、試みは不発。かくしてなでしこジャパンは23人中17人が前回経験者という、ベテラン中心の成熟したメンバー構成となった。

 しかし、若手に良い素材がいないというわけではない。