朝日新聞社広報部は「その後、不正な会計処理が行われていたことが分かったことから、弊紙は7月9日、副会長辞任を紙面化する際に『不正会計』という言葉を使いました」と説明する。その後の紙面では再度「不適切会計」という表現に戻るも、「第三者委員会が7月20日に報告書を提出して以降は『不正会計』『不正決算』と表現しています」
 
 毎日新聞社社長室広報担当は「第三者委員会が意図的な会計操作やトップの関与について指摘する方向になった」として、7月17日朝刊から「不正会計」に切り替えたという。「不正会計」という表現を使っている理由については、「経営トップが認識したうえで意図的な利益水増しの決算を公表したことが判明したため」と説明している。

「不正会計」から「粉飾決算」へ変わるか?

 それでは、「不正会計」と「粉飾決算」は違うのだろうか?日本公認会計士協会広報グループによると、「不正会計」や「粉飾決算」といった言葉自体に定義はなく、一般用語として用いられているのだという。

 朝日新聞社広報部によると、7月13日朝刊の東芝に関する記事の中ですでに「粉飾決算」という言葉を使ったことがあるという。その理由については「粉飾決算という言葉の使用について基準はなく、不正会計処理の一種と考えています」(広報部)とのことだった。

 「粉飾決算」の用語使用について、唯一明確な基準を示してくれたのが毎日新聞社だ。「強制調査(捜査)の見通しが強まったと判断できた段階で切り替えを検討する」(社長室広報担当)とのことで、強制捜査の有無が一つの判断基準となっているようだ。

基準は公表せずー読売、日経、産経

 産経新聞は21日朝刊一面では「不適切会計」と書いていたが、22日朝刊から「利益水増し問題」という言葉に変更した。読売新聞と日経新聞は、20日に第三者委員会の報告書の概要が公表された後も「不適切会計」という言葉を使用している。3社はいずれも表現の使用基準について答えなかった。以下が回答の全文。

 産経新聞社広報部「弊紙のその時点での編集判断です」

 読売新聞グループ本社広報部「記事作成の経緯に関するご質問には従来お答えしていませんが、記事中の用語や表記は、事実関係に照らし、その都度適切なものを使用しています」

 日本経済新聞社広報室「お問い合わせの件を含め、記事表現をめぐる判断については公表していません」

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