[写真]米アップルが好調な決算。株価はなぜか下落(ロイター/アフロ)

 米アップルが好調な四半期決算を発表しましたが、株価はなぜか大きく下落ています。快進撃が続くアップルに何が起こっているのでしょうか。

 21日に発表された2015年4~6月期の決算は、売上高が前年同期比33%増の496億500万ドル(約6兆1500億円)、純利益が38%増の106億7700万ドル(約1兆3200億円)と大幅な増収増益でした。中国向けiPhoneの売上げが順調に伸びていることが、売上げと利益に大きく貢献しました。iPhoneの販売台数は4753万台と前年同期比で35%もの増加となっています。中国向けのiPhone販売は一時、単価の下落が懸念されたこともありましたが、それは杞憂だったようで、中国市場の拡大による利益率の減少は今のところ起こっていません。

 ところが、この決算が発表されると同社の株価は大幅に下落、一時は132ドル台に乗せていたものの、125ドルを切ってしまいました。株価が下がった原因のひとつとして考えられるのが、アップルウオッチです。

 同社は、今年4月、注目のアップルウオッチの販売を開始しました。一般的なモデルは4万円から、18金を使った上位モデルの価格は日本円で100万円以上と高価ですが、アップルは年間数百万台は売れるという強気の営業見通しを立てていたといわれています。

 今回の決算は、アップルウオッチが発売になってから初めての決算であり、市場関係者はその販売動向に注目していました。残念ながら同社は、アップルウオッチの販売台数を公表していないのですが、決算書からおおよその推定は可能です。アップルウオッチは決算資料において「その他製品」に分類されているのですが、前期からの増収分をすべてアップルウオッチと仮定し、価格を500ドルに設定すると、販売台数は190万台と計算されます。本当に190万台売れたのであれば、まずまずの結果なのでしょうが、市場の期待値があまりにも高かったことから、一部の投資家の失望を買ってしまったというのが現実のようです。

 アップルはすでに年間の売上高が約23兆円に達しており、ほぼ同額の手元流動性(現金や換金性の高い金融商品)を持つに至っています。同社は巨額のキャッシュを余らせていることについて、一部の投資家から資金を有効活用していないと批判されています。しかし、現実問題として、ここまで企業の規模が巨大になってくると、同社の収益を拡大させることができる投資先などそうそう見つかりません。しかし、市場はこれまでと同様、売上高と利益の継続的な成長を求めています。絶好調な決算であるにもかかわらず、大幅な株価の下落となってしまったのは、アップルという企業が、そろそろ地球規模における企業経営の限界点に達している状況を示唆しているのかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)