マイクロソフトは、Windowsの最新版であるWindows10の配布を7月末からスタートさせました。あまり話題になっていませんが、マイクロソフトはWindows10をきっかけに、創業以来40年間続いてきた事業モデルを180度転換しようとしています。マイクロソフトは何をしようとしているのでしょうか。そしてWindows 10はどのような位置付けなのでしょうか。

[写真]無料配信が始まったWindows 10(ロイター・アフロ)

 マイクロソフトはソフトウェアのメーカーですから、ソフトウェアを利用者に販売するという事業モデルを基本に据えてきました。Windowsは全世界で圧倒的なシェアを持つ基本ソフト(OS)ですが、数年に一度、大幅に機能を刷新した新製品を投入し、そのたびに利用者は料金を払って購入していました。これが同社の大きな収益源となってきたわけです。

 ところが近年、ネット環境の整備が進み、スマホが台頭してからは状況が一変、パッケージの売り切りというビジネスモデルが徐々に通用しなくなってきました。ソフトウェアのメーカーであるマイクロソフトも、ITサービス会社への脱皮が求められています。

 Windows10はこうしたマイクロソフトの戦略展開の中核となる新製品です。これまで何回も新OSの投入は行われてきましたが、今回は根本的に状況が異なっています。1年間という期間限定ではあるものの、Windows7やWindows8の利用者は、無料でWindows10にアップグレードできます。また同社は、Windows10に関して、小規模なアップデートを随時実施するのみで、機能の大幅刷新は実施しない方針を明らかにしています。つまり、Windows10は最後のWindows製品ということになります。

 マイクロソフトは、今後、これまでも堅調だった企業向けサーバー製品などを強化するとともに、消費者向けについては、サービスで収益を稼ぐやり方に転換する方針です。同社は、Windows10の発表に合わせて、クラウド上でデータを蓄積したり、業務用ソフトを月額固定料金で利用できるサービスの強化を行っており、今後はこうしたサービスが事業の主体となっていくでしょう。

この記事が気に入ったら「いいね!」をお願いします