日本のプロ野球界では、楽天・三木谷オーナーの現場介入が賛否両論の大きな議論を呼んだが、メジャーでは、代理人の現場介入が話題となっている。多くの超大物スーパースターをクライアントとして抱え、敏腕代理人として名を馳せるスコット・ボラス代理人が、ナ・リーグの東地区で2位以下に5ゲーム差をつけて快走するメッツのローテーションプランに“待った”をかけたのだ。

日本時間5日、CBSスポーツのジョン・ヘイマン記者が、「トミー・ジョン手術を行ったマット・ハービー投手は、今季180イニング以上投げるべきではなく、プレーオフ登板を回避すべきだ」というボラス代理人の主張を、そのまま報じ、それを後追いする形で、主要スポーツ局や地元ニューヨークのメディアが一斉に報じて大騒ぎになった。2013年10月に右靭帯再建手術を受けた右腕のハービーは、今季すでに25試合で166回1/3を投げて、12勝7敗。防御率2・60とチームの快進撃に貢献し、自己最多の178回1/3に近づきつつある。ハービーの代理人であるボラスは、肘の権威と言われるアンドリュー医師ら複数の医師の見解を示しつつ「今季180イニング以上投げることは、ハービー投手の肘を故障させるリスクがある」と主張して、プレーオフの登板を回避するよう球団に強く訴えた。

ボラス代理人は「医療の権威が医学的見地に立って、これ以上投げたらリスクがあるという意見を述べているにすぎない」。「これは、選手の安全問題だ」。「これは交渉ではなく、私は単に、医者の意見を球団側に伝えているだけだ」「医者の意見を侵害して選手を危険に冒すことは、球団が特権を振りかざしている」などと正当性を主張。メッツ側に強烈なジャブを見舞った格好だ。

 タフネゴシエーターとして知られるボラス代理人にとって、このような“現場介入”は、初めてのことではない。2012年にも、自分のクライアントであるナショナルズのストラスバーグがトミー・ジョン手術明けだという理由で、登板を制限するように所属球団に迫り、結果的に、ナショナルズはプレーオフ進出を果たしたが、その重要な試合にストラスバーグを投げさせなかった過去がある。また、今季、マーリンズのホセ・ヘルナンデスが、上腕二頭筋を故障した際にも、ボラス代理人の“圧力”で戦列を離脱したと報じられた。

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