とてもボクサーに見えないモデルボクサーの高野が世界挑戦。王者の写真を手に

 モデルとボクサーの二刀流で話題を集めている東洋太平洋Sバンタム級王者、高野人母美(28歳、協栄)の世界初挑戦が7日、発表された。11月11日に後楽園ホールでWBO世界スーパーフライ級王者、ダニエラ・ベルムデス(26歳、アルゼンチン)のベルトに挑戦するもの。

 ベルムデスは、17勝(5KO)3敗2分の戦績を持つ2階級王者で典型的なブルファイター。まだ高いレベルでの試合での経験が浅い10戦目の高野にとって無謀とも取れるマッチメイクが組まれた。しかも、階級をふたつ下げての挑戦。番狂わせを起こせば、人気沸騰は間違いないが、果たして……。
 

 契約を結んだファッション関係のスポンサーから貸与された総額2000万円相当のジュエリーを身につけた高野は、シックなスーツ姿で会見に現れた。ボクシングジムとのミスマッチのゴージャスさこそが、8身頭のモデル兼ボクサーの高野らしい演出だった。

「まだ(世界挑戦は)早いかなという気持ちもあるが、自分と向きあえ、どこまでやれるか、どれくらい本気になれるかを試す最大のチャンス。奪いとるという気持ちで、初めての10ラウンドをフルに戦い、そして勝ちます」と目をギラつかせた。

 6月に東洋のベルトを腰に巻いたが、ランキングにボクサーがほとんど居ずに、直前に対戦相手が変わり、しかもその相手がまるっきり手も出さないという、お粗末なタイトル。話題先行型ボクサーとしてのレッテルは、剥がせないでいた。そのパンチ力と長いリーチを含めた身体能力には確かに非凡なものがあるが、2014年6月にカイ・ジョンソン(竹原&畑山)にTKO負けした試合で露呈したスタミナ不足とディフェンス技術の低さは解消されていない。しかも、1年ぶりに階級を東洋をとった階級からふたつ下げる。なのに防衛戦を重ねることなく、いきなりの世界挑戦となった。

 担当の萩原トレーナーが、「タフでパンチ力のある相手。気持ちが折れたら惨敗するでしょう。それほど強いチャンピオン。今のままでは分は悪い。ただ男子選手レベルのパンチ力があるし、ノビシロに期待してトレーニングを続ける」と、思わず本音を漏らすほどの無謀なマッチメイクだ。

 試合を決めた協栄ジムの金平桂一郎氏に、その点を問うと、こんな答えが返ってきた。

「本物の世界戦をしないと、いつまでも話題先行型を抜けきれない。ミスマッチという声が出るのも理解できるし、リスクは承知だが、私には彼女には経験はないがその技術、ポテンシャルを含め十分に勝てる可能性があると思う。世界戦には噛み合わせというものが重要で、このファイタータイプのチャンピオンとは噛み合う。7-3で分が悪いのではと考えていたが、今では5-5くらいのチャンスはあると思う。倒すボクシングをさせる」

 他にも世界王座決定戦などの話もあったらしいが、あえて金平氏は、誰も文句のつけようのない強豪チャンピオンへの挑戦を選んだという。