阪神が、一部の審判によるマット・マートン外野手への暴言に対しての事実確認と、審判の姿勢に対する要望書提出を日本プロ野球機構(NPB)に対して行い、その申し入れを受けたNPB側が、調査の上当該審判に厳重注意処分を下していたことが18日、明らかになった。NPB側との折衝を行っていた阪神の連盟担当である四藤慶一郎球団専務が、横浜スタジアムでメディアの取材に対して応えたもの。

 阪神が問題にしたのは、12日に甲子園で行われた広島戦の試合後に審判の一人が一塁ベンチまで歩みよりマートンに対して「やかましい!」などと、暴言を吐いたという挑発行為。マートンは、暴言退場の常習犯で、この試合でも審判のストライクボールの判定に対して、不満なそぶりを打席で爆発させていたが、それに対していらだった審判団の一人が、逆ギレをして怒りをぶつけたと見られる。

 マートンが逆に審判から挑発行為を受けるという異様な現場を、複数の選手、関係者が確認していたため、阪神はNPBに対して、事実確認及び審判の姿勢に対する要望書を提出していた。

 NPBは、当該審判及び、マートンらからも事情を聞き、暴言は吐いていないが、目を合わせるなど挑発行為と取られてもおかしくない行動をしたことを認め、その審判に厳重注意処分を課したことと、今後、審判を教育し再発防止に努めていく、という内容の報告を阪神球団に対して行った。審判が選手に対して挑発行為を行うなど前代未聞の不祥事だ。

 しかも、審判がそのとんでもない行為を行ったのは、広島・田中のセンターフェンスを越えたホームランをビデオ判定までしておきながら「三塁打」という誤審を行い、延長12回2-2の引き分けに終わった試合後の出来事。この問題に関しては、再度ビデオ検証され誤審と認め、コミッショナーが謝罪したが、審判への処分は何も行われていなかった。その同じ審判団が、恥の上塗りどころか、審判の資格を疑われてもおかしくない言動をしていた。

 阪神サイドは、正式なペナルティが課せられた以上、さらにことを荒だてるつもりはないようだが、審判の技術レベルだけでなく、見識とモラルが問われる事件。審判を管理しているNPB側は、ペナルティ処分だけで終わらせず、審判に対する教育の徹底と再発防止をどういう形で進めていくか、具体的に示さねばならないだろう。

 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)