■ディーゼルはもうダメなのか

 そもそも論で言うと、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと比べて排ガスのクリーンさにおいて10年は遅れている。それでも将来的な石油不足などに鑑みれば、燃料の雑食性が高く、燃えるものなら何でも燃料にできるディーゼルは将来的な選択肢のひとつとして大事な内燃機関だ。エタノールなどの植物由来燃料などにも対応できるからだ。直近にそれが実用化される可能性は高いとは言えないが、将来技術としては重要なシステムなのだ。

 さて、最後に世界経済に及ぼす影響について、可能性を付記しておく。欧州経済の大黒柱であるフォルクスワーゲンの今回の事件は、EUの金融センターたるドイツの足元を確実に揺るがすだろう。ましてやドイツの他メーカー数社がボッシュもろとも連座したら、EU経済全体に多大な混乱をもたらすことが懸念される。

 特にここ数年、フォルクスワーゲンは中国マーケットで多くの利益を稼ぎ出してきたが、もはやカウントダウン状態にある中国バブル崩壊でも打撃を受けるのは必至だ。そのショックだけでも甚大だと思われてきたところに今回のディーゼルショックである。もはや何が起こっても不思議はない。

 世界経済の枢軸プレイヤーである中国とEUが揃って大やけどをするようなことがあれば、世界恐慌につながりかねない。上手くハンドリングしないと大変なことになる。反面、経済的混乱が限定的に済み、かつ状況を日米が上手く捌けば、両国の経済にとって大きなジャンプアップのチャンスでもある。どちらに転ぶかはまだわからないが、世界経済にとって大きな転機となるだろうことはほぼ間違いない。

(池田直渡・モータージャーナル)

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