阪神が和田豊監督(53)と来季の契約を結ばない方針を固めたことが25日、THE PAGEの取材で明らかになった。昨年オフに1年契約を交わしていた和田監督は、契約切れによる退任となる。球団サイドは、シーズン終了を待たず、近日中にも和田監督に対して来季の契約を更新しない意向を伝える方向だ。

 優勝争いから転落、CS進出をかけた広島との3位争いが焦点となっている阪神は、まだクライマックスシリーズから勝ち上がっての日本シリーズ進出の可能性は残っている。だが、例え昨年のようにクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズで“下克上”を果たし日本一になったとしても、和田監督退任の方向は変わらず、レギュラーシーズンの全日程終了後、クライマックスシリーズを前に正式退任が発表される予定。

 2012年に打撃コーチから昇格する形で、監督に就任した和田監督は、2013年から3年続けて優勝争いには参加したが、いずれも優勝の行方を決める重要な8、9月に勝てなかった。今季も9月18日からスタートした12連戦で連敗スタート。いずれも勝てるゲームを落とした。

 21日のヤクルト戦では、2-2で迎えた6回一死満塁で大和にスクイズのサインを命じて失敗、自力Vが消滅した。東京ドームの巨人戦でも投手継投に失敗するなど連敗して3位に後退。後手、後手に回る受身の和田采配で、ゲームがプラスの方向へと動かず、チームに“勝つ野球”が徹底されていない部分が目につくなど、その指揮能力や求心力に対しての疑問符がつけられ、ファンの期待に応え悲願の優勝を手にするためには、例えシーズンを2位、もしくは3位で終わろうが、人心を一新すべきだとの結論に達した。

 後任の監督人事に関しては、阪神OBで現評論家の金本知憲氏(47)が最有力。金本氏は、星野仙一監督のラブコールに応える形で、2003年に広島からFAで阪神に移籍、成績だけでなく、練習から妥協を許さぬ姿勢でチームを引っ張り18年ぶりの優勝に貢献、2005年にも岡田彰布監督の元、4番打者として2度目の優勝を支えた。

 2012年まで10年間、阪神でプレー。引退後は、3年間、ネット裏で評論家生活を続けていた。球団は、その野球理論と共に“アニキ”と呼ばれた強いリーダシップを評価。勝負どころで勝利への執念を出せなかったチームの空気を変えるには、うってつけの情熱を持った人物として、本社、球団の意見が一致した。また若いファンから絶大な人気を持っていることも魅力だ。

 昨年も、打撃コーチもしくは2軍監督としての入閣オファーを出し、本人が「まだもう少し外から野球を勉強したい」と固辞した経緯があるが、金本氏に近い関係者によると、今回はどんな形であれ、ユニホームを着る準備と環境ができている模様で、監督受諾に障害はない。

 唯一の不安材料としては金本氏にコーチ経験のないことが指摘されている。だが、ソフトバンクの工藤公康監督、日ハムの栗山英樹監督が、いずれも、コーチ経験もないまま監督就任して、その初年度に優勝を果たした例があり、コーチ組閣を含めたフロントのバックアップ体勢を整えておけば問題がないと判断されている。

(文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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