東日本大震災で全壊した宮城県石巻市雄勝町(おがつちょう)の「葉山神社」の社殿が、震災から約4年半を経て再建された。9月20、26、27日に開かれた竣工奉祝祭では、国の重要無形民俗文化財「雄勝法印神楽」のほぼ全ての演目が演じられ、多くの住民らが集まって完成を祝った。

 「葉山神社」は鎌倉時代に創設され、葉山神社の奥にある本宮「石峰山石神社」は1800年以上前に祀られたと伝わる。葉山神社は町の伝統芸能「雄勝法印神楽」の保存継承の拠点でもあり、地域住民の信仰と心の拠り所となってきた。

竣工奉祝祭で奉納された、伝統の「雄勝法印神楽」(27日、安藤歩美撮影)

 葉山神社は、東日本大震災の津波で社殿が全壊。2013年6月から日本財団などの寄付で、社殿を高台へ移す形での再建工事が始まった。社殿は今年9月に完成し、19日にはご神体を新しい社殿へ移す「遷座祭」を開催。千葉秀司宮司(37)は「たくさんの方々のご支援と力を借りてここまで来ることができた。感謝の気持ちでいっぱい」と語る。

 27日の竣工奉祝祭では、雄勝町名産のホタテの屋台などが出店し、舞台上で演じられた神楽に地域住民らが見入っていた。竣工奉祝祭は数百年に1度しか開かれない祭りで、町に伝わる神楽のほぼ全てにあたる24演目が演じられることは「知りうる限り過去に例がないこと」(千葉宮司)という。震災前、雄勝町に夫の実家があったという石巻市の畑中れい子さん(65)は「震災でこの辺りの風景もすっかり変わってしまったけれど、再建された神社や神楽を見ると涙が出てきます。震災で受けた心の傷はまだ癒えないけど、神社が少しでも町の発展につながれば」と感激したようすで語った。

再建された葉山神社の社殿(27日、安藤歩美撮影)

 震災の津波で壊滅的被害を受けた雄勝町。震災後は人口流出が深刻化し、震災前の2011年2月末時点で4300人だった人口は、今年8月末時点で2057人まで減った。竣工祭では、久しぶりに再会した住民同士が懐かしそうに立ち話をする姿も多く見られた。千葉宮司は「転居した住民も町に残った住民も、たくさんの人が集まって再会し、人々のつながりが結びつく場所にしたい」と、地域の拠点となる神社の復活に期待を込めた。
(安藤歩美/THE EAST TIMES)

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