「静岡茶」「宇治茶」とともに、日本3大銘茶のひとつに数えられる埼玉県の「狭山茶」で作ったコーラが話題を呼んでいる。開発した狭山茶の老舗店は「狭山茶コーラ」の販売により、「日本3大銘茶でありながら埼玉県内ですら認知度が低い狭山茶の魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたい」と意気込んでいる。

コーラには茶葉の自然な甘みが

お茶の色をした「狭山茶コーラ」

 「狭山茶コーラ」を開発したのは、創業約100年の狭山茶製造販売の老舗・増田園本店(埼玉県入間市)。「狭山茶の魅力をもっと知ってもらい、埼玉を好きになって欲しい」と、2013年秋から狭山茶を使ったコーラの開発を始めた。日本茶製造のノウハウはあるものの、コーラ作りは全くの手探り。増田園本店の4代目、増田卓郎取締役(34)は「コーラの配合に苦労した。ジュースを混ぜたりしてさまざまな組み合わせを試した」と振り返る。

 苦労の末開発された「狭山茶コーラ」は2014年に発売。埼玉県西部を走る西武鉄道の沿線向けコミュニティペーパーに採り上げられ、西武線沿線のイベントなどで販売されるようになって人気を集めた。「狭山茶コーラ」を実際に飲んでみると、炭酸のシュワシュワとした喉ごしの後に、茶葉の自然でほのかな甘みが後味として残り、上品な味わいに仕上がっている。1本250円で、主に地元の農協や直売所で販売されている。

「狭山茶のおいしさや楽しさを知ってほしい」

狭山茶を入れながら、その魅力を力説する増田取締役

 埼玉県南西部の武蔵野台地を中心に栽培されている「狭山茶」は、古くから「味の狭山茶」と言われ、江戸のまちで親しまれてきた。日本3大銘茶として並び称せられ、「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」と言われるほどだ。増田取締役によると、狭山茶を生産する埼玉県はお茶の産地の北限にあたるため、葉肉が厚く味が濃いのが特徴だという。

 増田取締役は「最近はペットボトルでお茶を飲む人が増え、お茶を急須でいれることが少なくなっている」と嘆く。話題性のある「狭山茶コーラ」で多くの人に「狭山茶」に興味を持ってもらうことで、「狭山茶のおいしさや急須でお茶をいれる楽しさを多くの人に知ってもらう機会につながれば」と期待している。

 東京・池袋から西武線で1時間ほど行くと、武蔵野台地に広大な茶畑が広がっている。「狭山茶コーラ」を飲んで、狭山茶の魅力を知るきっかけにするのもいいかもしれない。
(中野宏一/THE EAST TIMES)