学識者の意見を法務大臣が却下してしまうことも

日本での難民認定手続き。難民認定されるまでに平均6年がかかっている(出典:法務省「難民認定制度の運用の見直しの概要」)

 小田川弁護士は、日本では出入国管理を扱う法務省入国管理局(入管)が難民の認定を兼任していることも、難民受け入れのハードルとなっていると指摘する。「外国人の出入国を管理・取り締まる入管が難民の認定も兼ねていることで、保護すべき難民を排除すべき対象として見てしまいがちである」。海外では難民の1次審査を入管が担当しても、最終決定は入管とは独立した難民認定組織が担うことが多いといい、入管が難民認定を兼ねると「どうしても難民保護が後退してしまう」と話す。

 日本にも、難民と認められなかった人が異議申し立てをすると、学識者らで構成される「参与員」が難民性を審査して法務大臣に意見を述べる制度はある。しかし意見に法的拘束力はなく、「参与員が法務大臣に『この人は難民だ』と意見しても、最終決定者である法務大臣がそれを却下してしまうことが増えている」(小田川弁護士)といい、第三者の視点を入れた制度が効果的に機能しているとは言いがたい状況だ。

難民として認定されるまで平均6年弱かかる

 難民認定されるとしても、審査に数年単位での時間がかかることも課題の一つだ。今年8月の国会での政府の答弁書によると、結果がでるまでの一連の審査に要する期間は平均約3年。難民認定される人に限っては、6年弱の時間がかかっている。

 来日した難民の支援などに取り組む「認定NPO法人難民支援協会」広報部の田中志穂さんは、「難民認定の手続きには多くの書類提出が求められる。日本語や法的制度などがわからない中、自力で行うのは至難だ。加えて、長い審査期間、経済的にも苦しい状況に直面する。難民申請者の生活を支える公的支援はあるが、その審査にも2〜3カ月要するため、その間に持ち金が尽きてホームレスになる人も少なくない。また、支援を受給できる人は限られており、基本的には自力で働き生きていくことが求められている。基本的には、申請から半年後には就労資格が得られるため、合法的に働くことは可能だが、低い認定率の中で長い審査期間を不安に生きることを余儀なくされている」と話す。

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