菅官房長官は13日、日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に拠出する分担金や任意の拠出金について、停止もしくは削減を検討すると表明しました。ユネスコの記憶遺産に「南京大虐殺」に関する資料が登録されたことへの対抗措置ですが、こうした国際機関の分担金とはどのようなものなのでしょうか。

米国は分担金支払いを停止

ユネスコのホームページ

 日本政府は毎年、国際機関に5000億円以上の金額を投じています(分担金に加え、基金への拠出などを含む)。多くは世界銀行やIMF(国際通貨基金)などの金融機関ですが、これに次いで多いのが、ユネスコを含む国連の各機関で、2013年度は約2000億円を拠出しました。今回、日本政府が減額などを検討すると表明したユネスコ向けは、約43億円で、全体からみればごくわずかに過ぎません。しかし、ユネスコの内部では状況は異なるようです。

 ユネスコの主要国における分担比率(分担金のみ)は、米国が22%、日本が11%、ドイツ7%、フランス6%、英国5%ですから、日本は米国に次いで2番目に多くの資金を出しています。しかも米国は、パレスチナがユネスコに加盟したことをきっかけに分担金支払を停止しているため、実質的に日本が最大の分担金拠出国となっているのが現状です。米国の法律では、国際的に独立が承認されていない団体が正式加盟する国連機関への分担金拠出ができません。

揺さぶりをかけたい日本 vs. 国際公務員

 記憶遺産とは、危機に瀕した文書や書物といった歴史的記録物を保全し、広く公開することを目的としたユネスコの事業です。日本は実質的にユネスコの運営資金のほとんどを提供しているにもかかわらず、南京大虐殺という日本にとって不利な出来事が記憶遺産に登録されたことから、今回の動きにつながりました。

 日本は資金面で揺さぶりをかけて、事態を打開しようとしていますが、そう簡単にはいかない可能性があります。国連は、日本では何か特別な存在であるかのように思われていますが、基本的には国内の官公庁と似たような組織であり、国連職員は一般に国際公務員と呼ばれています。

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