#01 「あの日」から4年半

(石巻市門脇町 2015年9月)

(石巻市門脇町 2011年3月)

先月、僕の故郷でもある宮城県の被災地を訪れた。最後にこの土地に来たのが2012年だから、もう3年半ぶりになる。

2011年3月11日、リビアの内戦を撮影していた僕は、戦場と化した砂漠の上で、震災の知らせを受けた。仙台には両親と妹が住んでいたが、全く連絡がつかない。隣国エジプトのカイロ空港まで16時間、夜通し走る車のなかで、僕は不安とともに、不思議な違和感を感じていた。これまで「他人の」惨状を撮影するばかりだったのが、初めて「当事者」になったような気がしたのだ。世界で最も平和な国のひとつである日本、それも自らの故郷でこんなことが起ころうとは……。それは、まさに僕にとって非現実的な出来事でもあった。

それまでに僕が見たどんな戦地よりも広く、完璧なまでに破壊し尽くされていた町々を前に、僕は言葉を失った。

あの日から4年半。震災直後に瓦礫の上で出会った人たちを、また訪れることができた。瓦礫は消え、盛土でかさ上げされた町々はすっかりその姿を変えていたが、人々の暮らしはどう変わったのか、真の意味での復興は進んでいるのだろうか。

(石巻市門脇町 2015年9月)(白黒・石巻市門脇町 2011年3月)

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