試合後の五郎丸にはどことなく貫禄が (写真:築田純/アフロスポーツ)

 いまやこの国でもっとも有名なアスリートの1人となったラグビー日本代表の五郎丸歩が、11月14日、日本最高峰トップリーグの開幕節に挑んだ。ヤマハのフルバックとしてフル出場し、リーグ戦通算1000得点をマークするなど18-11で白星を挙げた。

 ワールドカップイングランド大会で、日本代表は南アフリカを破る大金星で世界を驚かせ、決勝Tには進出できなかったが予選プールで3勝して、ブームを起こした。両手を胸の前に合わせるしぐさでのゴールキックは、本人のあずかり知らぬところで「五郎丸ポーズ」という流行語に変わった。

 試合当日、会場の愛知・パロマ瑞穂ラグビー場には通常の2倍以上の警備員、約5倍の高校生ボランティアが配置され、公式入場者は「8676人」。雨天とあって、前売り券完売の割には一部に空席が目立ちはした。それでも同スタジアムでのラグビーのゲームとしては、史上最多の観客数だった。

 すっかり「時の人」となった五郎丸は、10月13日に帰国するや多くのテレビ番組やメディア露出に時間を割いた。もっとも「コンディションを整えるうえでの難しさはなかった」と本人は言う。

「メディアさんに出していただくことと練習のバランス。そこについてチームの皆にサポートしてもらっている。感謝したい」

 ヤマハは、堅いスクラムとモールを最大の強みとする。試合前、清宮克幸監督から背番号「15」のジャージィを受け取る際、五郎丸は仲間の前で宣言した。

「モールかスクラムでのトライの後に1000得点を決めたい。それがヤマハスタイルだから」

 キックオフ。序盤からモールを多用するプランを持っていた三村勇飛丸主将は、「俄然、気合いが入った」。敵陣ゴール前右のラインアウトから縦長のモールを組み、フランカーのモセ・トゥイアリイがインゴールを割った。早速、五郎丸がコンバージョンを蹴る。失敗。しかし、「外す時は、外します」。過去を振り返らないのが、この人の流儀だった。

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