#05 憩いの場

(2015年7月)

市民の憩いの場であるゴール・フェイス・グリーンが、 いつになく家族連れでごった返していた。うっかりしていたが、この週末は、断食明けのイード。イスラム教徒にとって、年最大の祝祭だったのだ。
インド洋に沿って南北に伸びるこの広場、もともとは 17世紀のオランダ占領時代、大砲を備え付けるために使われた場所で、敷地は現在よりも遥かに広かったらしい。のちのイギリス占領時代には競馬やゴルフ、クリケットなども行なわれ、今でいう多目的競技場のように使われていた。

いまとなっては芝と土だけのただの広場なのだが、この「何もない」という開放感がなんともいえず心地いい。海に面し、視界を遮る木や建物のないこんな場所など、アジアの都会で見つけることは難しいから、僕にとってもお気に入りの場所なのだ。しかし、この日の混雑ぶりにはさすがにうんざり。早々に退散と相なった。

(2015年7月)

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