メンタル面での成長がうかがえる柏木が遠藤を上回る活躍をみせられるか(写真:長田洋平/アフロスポーツ 2015年11月12日撮影)

 J1の年間王者を決める「2015 Jリーグチャンピオンシップ」がいよいよスタート。一発勝負で行われる28日の準決勝で、ファーストステージ覇者(年間総合2位)の浦和レッズが、ホームの埼玉スタジアムにガンバ大阪(年間総合3位)を迎え撃つ。

 昨シーズン終盤に激しい優勝争いを演じた両チームは、今シーズンのリーグ戦でも1勝1敗と互角の星を残している。ともにアジアの頂点にも立ったことのある強豪の激突に、新旧の日本代表ボランチ、柏木陽介と遠藤保仁の存在が彩りを添える。

 ハリルジャパンで約3年ぶりに国際Aマッチに出場。「ゲームを組み立てられるボランチ」として一気に存在感を高めてきた柏木は、浦和でも今シーズンからポジションをボランチに固定している。

 サンフレッチェ広島時代を含めて、これまでの柏木はトップ下やシャドーストライカーの位置でプレーすることが多かった。元日本代表MFで現在は解説者を務める水沼貴史氏は、間もなく28歳になる柏木がポジション変更に込めた覚悟をこう慮る。

「日本代表で生き残っていくとすればボランチだと、柏木のなかで強く意識している。決してスピードがあるわけでもないし、ドリブラーでもない。ましてや、日本代表の2列目は激戦区でもある。ならばどこを居場所にするのかといえば、遠藤のように後方でゲームを作りながら、機を見ては前線へ攻め上がっていくプレースタイルを常に考えている。ワールドカップに出場するのは年齢的にも最後のチャンスと思っているはずだし、その意味では志の高さといったものが今シーズンの柏木からは感じられる」

 ハリルホジッチ監督の就任を境に、日本代表に招集されなくなって約8ヶ月。キャプテンとしてG大阪でのプレーに専念できた35歳の遠藤は、どんな状況でもマイペースを崩さず、チーム全体をオーガナイズするプレースタイルを淡々と貫いてきた。
 
 決して一発で仕留めようとするタイプではない。ボールを巧みに動かし、味方を上手く使いながらゆっくりと、確実に相手の急所を突く攻撃を演出する。宇佐美貴史とパトリックの両FWが開通させるホットラインを含めて、攻撃陣が自由にプレーできる状況は遠藤の存在感に導かれていると言っていい。

 ボランチを主戦場としながら、遠藤は状況によってはトップ下でもプレーしている。敵陣により近いエリアでゲームメイクができることに加えて、メリットがもうひとつあると水沼氏が続ける。
「遠藤がトップ下に入ることで、相手の最終ラインにプレッシャーをかけることができる。宇佐美やパトリックでは、残念ながらプレッシャーの強度が低い。対照的に遠藤はプレッシャーをかける術を熟知しているので、前線からの守備を徹底するには有効な選手といっていい」