宮城県仙台市で地下鉄「東西線」が6日、開業した。前日の試乗会はシステムトラブルで一時中断となったが、予定通り6日の開業となった。東西線により、東北大や仙台市中心部、東日本大震災で被災した人々が集団移転した新たな街などが1つの路線で結ばれることになり、経済活動の活発化や復興の加速化が期待されている。

「日本一高い地下鉄駅」が誕生

「国際センター駅」に入る東西線の車両。車両先端には、仙台藩主伊達政宗の兜の前立てをイメージした三日月があしらわれた(安藤歩美撮影)

東西線は「日本一高い地下鉄駅」となる標高136.4メートルの西の終点「八木山動物公園駅」と、東の終点「荒井駅」までの13駅を、26分で結ぶ。全長13.9kmで、1日8万人の利用が想定されている。1987年開業の「南北線」に次ぐ2本目の地下鉄で、仙台市に十字型の地下鉄の交通軸が形成されることになる。

市で東西線が初めて提案されたのは1979年で、36年ごしの実現となった。総事業費は2300億円で、2003年に事業許可を受け、2006年に着工。2011年の東日本大震災で工事が一時中断したが、同年9月までに再開され、事業許可時の計画通り2015年中の開業にこぎつけた。施工業者は「技術的にも、急勾配の山岳トンネルなど非常に難しい工事も少なくなかった」と振り返る。

駅周辺に7千人規模の新しい街

東西線の路線図。南北線とあわせ、仙台に十字型の交通軸ができることになる(仙台市HPより)

東端の「荒井駅」周辺には東日本大震災で自宅を失った人々が移住する復興住宅も多く整備され、3地区の宅地開発で計7000人規模の新しい街が誕生する予定だ。荒井駅は震災で大きな被害を受けた沿岸部の荒浜に近く、駅構内には震災の記憶を展示や体験型プログラムにより伝え続ける施設「せんだい3・11メモリアル交流館」も整備された。

西の研究拠点・東北大と、仙台駅周辺の中心部、仙台港に近い東の流通業拠点がつながることで、新産業創出や地域経済の活性化も期待されている。また、仙台城址、八木山動物公園、東西線の最寄り駅からシャトルバスが運行される仙台うみの杜水族館など市内の人気観光地が一つの路線でつながることになり、東西線沿線の観光施設は連携して観光客の呼び込みを強化する計画だ。

「政宗公から400年、新たな街づくりへ」

開業記念式典で祝辞を述べる奥山恵美子市長(安藤歩美撮影)

奥山恵美子市長は前日開かれた開業記念式典で、「(伊達)政宗公による仙台開府から400年余りの時を超え、三日月型の兜の前立てを車両の前面にあしらった地下鉄東西線が、復興の先の新たな未来の街づくりに向けて先陣を切ることとなる。107万人の仙台市民は、東西線とともに進めるこれからの仙台の街づくりのスタートラインに立とうとしている」と、東西線が市にもたらす効果に期待を込めた。

(安藤歩美/THE EAST TIMES)