ポスティング申請を急がねば、マエケンの移籍選択肢が狭くなる?

 1週間、いや、数日の遅れが、総年俸にして億単位の違いを生むかもしれない。さらに言えば、希望球団に行けない可能性もある。広島球団からポスティング制度を使っての大リーグ移籍を認められた前田健太(27)のことだ。球団は4日に前田の希望に沿ってポスティングを容認することを正式発表したが、手続きの完了は今週中と言われる。この微妙なタイムロスが、前田の契約に少なからず影響を与えそうだ。

 背景にあるのは、今オフの大リーグFA市場にみられる過去に例のない動きの速さである。米国時間7日に開幕したウィンターミーティングを待つことなく、30日(日本時間12月1日)に、目玉選手の先陣を切ってジマーマンがタイガースと合意(5年総額1億1000万ドル=約135億円)。今月4日には、プライスがレッドソックス(7年総額2億1700万ドル=約267億円)、グリンキーはダイヤモンドバックスと契約(6年総額2億650万ドル=約254億円)に至った。ジャイアンツは5日にサマージャと合意(5年総額9000万ドル=約111億円)。6日は岩隈久志がドジャーズと3年4500万ドル(約54億円)で合意に達したと報じられるなど、バタバタと契約に至っている。

 前田のポスティング手続きが完了するまでに、すでに、クエトを除く目玉選手は、ほぼ行き先が決まり、前田が属するとみられる第2グループですら、ハップがブルージェイズ(3年3600万ドル=約43億円)、ラッキーはカブス(2年総額3200万ドル=約39億円)と合意、岩隈を失ったマリナーズも、トレードでレッドソックスから左腕のマイリーを獲得した。青木宣親外野手のマリナーズ移籍も予想よりも早かった。今年のFA市場は、全体的に”早い者勝ち”な傾向にあると言ってもいいだろう。

 ポスティング入札額は2000万ドル(約24億円)の上限があり、そこさえ値割れしなければ、広島球団に入る金額は同じだが、マエケンにしてみたら1日でも早く正式に市場に出して欲しいところだろう。球団幹部が「アイラブ前田」と熱烈ラブコールを送っていたDバックスを始め、先月11月のGM会議では2桁に及ぶ球団のGMが前田に興味を抱いていたが、先発陣容が固まった球団はおのずと前田の争奪戦から撤退する。目玉選手に大金を叩いた球団は、予算枠も限られてくるはずだ。需要と供給で成り立つのが、FA市場。各球団が血眼で契約締結に急ぎ、争奪戦が加熱した状態なら、交渉の土壇場で数億円の上積みも見込めるが、タイミングが一呼吸遅れると争奪戦はトーンダウンする。

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