宮城県の段ボール加工会社が段ボールで作った、イタリア製高級スポーツカー「ランボルギーニ」の実物大模型「ダンボルギーニ」が、本物の「ランボルギーニ」と共演することが、同社への取材で分かった。ランボルギーニ正規販売店の担当者が製作者の思いに共感し、申し出た。「ダンボルギーニ」と「ランボルギーニ」の2台は、東日本大震災の壊滅的被害から復活し、今月23日にようやくオープンを迎える宮城県女川町の駅前商店街に展示され、復興に華を添える。

「ついにお叱りが来たかと思った」

段ボール製「ダンボルギーニ・アヴェンダンボール」(上)と共演が決まった「ランボルギーニ・アヴェンタドール」(下)

 宮城県石巻市の梱包材加工会社「今野梱包」は今年5月から半年間、6人がかりで仕事の合間をぬって段ボール製の「ダンボルギーニ」を製作した。幼い頃からランボルギーニに憧れていた今野英樹社長(43)が、写真を見て図面を起こし、同社の持つ強化段ボールの加工技術の集大成として約500個のパーツを組み合わせて完成させた。

 完成した「ダンボルギーニ」の写真を今月2日にツイッターに投稿したところ、大きな反響を呼び、テレビなどの取材も殺到。そんな中、19日深夜に今野社長のフェイスブックに、ランボルギーニの正規販売店「ランボルギーニ麻布」(東京都港区)からメッセージが届いたという。「ついにお叱りの言葉が来たか」と思い読んでみると、今野社長の取り組みを絶賛する内容で、今月23日に女川町で「ダンボルギーニ」を展示する際、何か協力ができないかという申し出だった。

発案者は宮城県出身の男性

宮城県石巻市の段ボール加工会社が段ボールで製作した「ダンボルギーニ・アヴェンダンボール」(提供写真)

 今野社長は「ダンボルギーニ」を製作した理由について、東日本大震災や過疎化で若者の流出が続く地元・宮城県石巻市桃生町で「こんな面白いことをやっている大人がいると伝えたかった。クリエイティブでかっこいい仕事は、都会だけでなく、地元でもできることを示したかった」と語る。2011年の東日本大震災後は段ボール加工技術を活かし、避難所の間仕切りや、仮設住宅向けのベッド、収納などを段ボールで開発してきた。

 ランボルギーニ正規販売店「ランボルギーニ麻布」の営業部の男性(46)は、そんな社長の想いに感激したという。実は男性は、宮城県美里町小牛田の出身。「震災で友人、知人が多く被災したのに、自分は東京にいて何もできなかった」という思いが残っていた。「最初は『ダンボルギーニ』という言葉を聞いて、ダジャレでふざけているだけかと思った。でも今野社長が段ボールで復興のために多くの取り組みをしていることを知り、何かできないかと思った」と明かす。