[写真]「B’z」稲葉浩志 仕事の悩みは

 「B’z」の稲葉浩志が、1月13日にソロシングル『羽』をリリースする。ミリオンセラーを記録した97年発売のアルバム『マグマ』をはじめ、ソロ歌手としても数々の金字塔を打ち立てて来た稲葉にとって全4曲を収録した今作はソロシングルとしては約5年半ぶりの作品となる。バラエティに富みながらも、1枚を通して一貫した思いが感じられる同作に懸ける思いをレコーディング中のエピソードを交えながら語ってもらった──。

歌詞にして歌って自分自身に言い聞かせる

[写真]曲作りのエピソードを語った稲葉浩志

 「非常に行間を読めるアレンジをしてくれる」と信頼を寄せるマルチ・ミュージシャンの徳永暁人(doa)を共同アレンジャーに迎えて制作された、今作。

 1曲1曲が異なるカラーを放ちながら、どの楽曲にも“新しい場所へ向かっていこう。違う世界を見てみよう”という姿勢が表れている、シングルとしては珍しいコンセプチュアルなイメージを感じさせる作品集だが、そこにここ最近の稲葉自身の心持ちは反映されているのだろうか?

 「無理矢理それを意識してやっているわけではないですけど、同時期に集中して制作した楽曲なので、そういう気分はあったかもしれません。新しいことを自分でやってみるって口では簡単に言えるけど、実際はなかなか重い腰が上がらなかったりすることもあるし。だから、それを事あるごとに自分に言い聞かせていないとダメだなっていうところもありますし。なので、無意識に歌詞にしてしまうのかもしれません。歌詞にして歌って、自分自身に言い聞かせる、というか」

 “手に入れるべきは未来”と歌われる、1曲目に収められたタイトルチューン『羽』は、その稲葉の心持ちが顕著に表れた、かつ聴く人に勇気を与えてくれるようなナンバー。4つ打ちのビートを基調としたサウンドからは、前進するイメージも強く感じられる。

 「4つ打ちにすることでこういう歌詞は歌いやすくなる、というのは確かにあるかもしれませんね。元々は、バラードにしようと思っていたんですよ。でも、メロディと歌詞を試行錯誤しながらまとめていって、徳永君とアレンジメントの方向性を話し合っていくうちに、シンセを活かした4つ打ちに変化していったんです。で、こういう曲調との対比を期待して、ギターソロは『ラウドネス』の高崎晃さんにお願いしました。イメージとしては、カッコいいギタリストがパッと出てきて、ギターソロを弾いて去っていく、という感じです」

 “#9(ナンバーナイン)”が意味するところも非常に興味深い、2曲目の『Symphony #9』は、言葉、メロディライン、音の構築からまさに“シンフォニー”が生まれている、ミディアムナンバー。緻密なアレンジメント、歌詞の英語のフレーズの組み合わせの妙にうならされる。

 「“#9”の意味を聞かれたのは初めてです。これは自由に想像して頂ければ(笑) この曲はサビのフレーズが最初に生まれて、そこから音が色々と重なり合うレイヤーを要所要所に散りばめたアレンジで、ちょっとぶ厚目の音で、というイメージで作業を進めました。あと、サビ前のフレーズは、現実から夢にいくのか夢から現実にいくのか…、一瞬目が覚めるような、一瞬まったく別世界にいくような感じを表現したくて。徳永君には“突然雷が鳴るような感じで”と伝えました(笑) 最後の英詞の部分は、自分が対象とする人を非常に必要としている、大事にしているという側面もありがながら、どこか別のところでは自分を蝕んでしまう相手になってしまうという側面も持っているということを、意味合い的に自分が納得できる言葉で、でも思いついたままに言っている感じで表現しています」