発足を記念する「近代仙台研究会」の初めての発表会(2016年1月20日、東北工業大一番町ロビー)

 明治から太平洋戦争を経て昭和30年代に至る仙台の歴史や文化、風俗の解明に挑む「近代仙台研究会」が2016年1月20日に発足しました。仙台市青葉区にある東北工業大一番町ロビーで開かれた第1回研究会には、高校、大学の研究者や学生のほか、仕事の合間に「仙台の近代」を追い続ける市民研究者ら74人が参加しました。

 東日本大震災から間もなく5年を迎える仙台市や宮城県では、震災によって荒廃したまちの記憶を地域ぐるみで再生・継承する取り組みがさまざまな形で進んでいます。「近代仙台研究会」の発足を記念する発表のテーマは、仙台地方の住まいの形式、天然スレート民家の分布、まちかどの風景を記録した古写真と仙台市民の暮らしの比較調査など13本。

 宮城県の産業振興に尽力した商工技師、金友五朔や松島パークホテルの設計者であるヤン・レツルの足跡をたどる研究のほか、二宮金次郎(尊徳)の像の特徴や分布や作られた経緯を明らかにしたユニークな研究もありました。

 古写真と暮らしの比較について発表した東北工業大4年の阿部春菜さんは「20年間、この土地で生まれ育ちました。何気なく見たり聞いたりしてきたことでも、多くの人に話を聞き、自分で調べることによって、実は大変な価値があることに気付きます」と近代研究の魅力について話していました。

 阿部さんを指導する東北工大ライフデザイン学部准教授の大沼正寛さんは「近代は自分の親、祖父母の足跡を直接たどれる連続的な歴史ですが、その近代さえも、震災などによってどんどん風化し、変わっていこうとしています。その意味で、近代を語り継ぐために行動するには今がチャンス」と強調していました。

(メディアプロジェクト仙台:佐藤和文)

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