大学選手権を7連覇した帝京大がパナソニックに挑む(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 日本の楕円球シーズンを締めくくる日本選手権が1月31日、東京は秩父宮ラグビー場でおこなわれる。

 今回は一発勝負。2015年秋のワールドカップイングランド大会などに伴い、日程調整が必要だったからだ。日本最高峰であるトップリーグで3連覇を果たしたパナソニックに挑むのは、大学選手権7連覇中の帝京大である。
 一騎打ち形式の日本選手権で学生が社会人に勝ったのは、1987年度の早大が最後だ。1997年度から昨季まではトーナメント制が敷かれたが、ファンが潜在的に求める番狂わせはなかなか実現しない。帝京大以外でそれを達成したのは、清宮克幸監督が率いた2005年度の早大のみである。強豪国代表経験者の流入やトレーニングの先鋭化などによって、トップリーグの各クラブは負けない根拠を整えてきたのだ。このような中、帝京大はいかに戦うのだろうか。

 帝京大は昨季の選手権で、かねて目標としてきたトップリーグ勢撃破を実現した。2015年2月8日、秩父宮。NECとの1回戦を31―25で制した。肉弾戦をほぼ互角とし、何より陣地の取り合いでも優勢だった。相手が起用していた巨漢ウイング、ネマニ・ナドロの後ろへ当時のスクラムハーフ流大主将(現サントリー)がキックを蹴りまくった。

 しかし、続く15日の2回戦は24-38で落とす。対する東芝が、フィジカルバトルでのしつこさやセットプレーのまとまりを示した。敗れた岩出雅之監督は「生意気を言いますが、日本選手権で1つ勝つ、という程度の目標設定をしてはいけない。それでは勝った瞬間に、(緊張が解け、2回戦以降の)負けが始まる(に繋がる)」と反省。現在の大会フォーマットが定まる前から、今年度の日本一を目標に掲げた。

 帝京大は、競技能力を下支えする選手の勤勉さと身体の強さを磨いてきた。その延長線上で丁寧に白星をもぎ取っており、トップリーグチャンピオンとのゲームに向けても同種のスタンスで準備を重ねてきた。「偶然勝つなんて、ありえない」と指揮官。他大学がうらやむ充実したトレーニング施設を最大利用し、選手に求める持久力や筋力の基準値を上げた。

 さらなるビルドアップのポイントは、インテリジェンスか。ミーティングや意見交換を通じ、選手同士で戦術を確認しあう意識をより高めた。例えば、守備ラインの敷き方への無理解のため、本来埋めるべきスペースを相手にえぐられて失点…。そうした負けへの「必然」を排すことで、「偶然」には得られぬ白星への「必然」を求めた。
  

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