2月3日の節分が過ぎたころ、「コンビニエンスストアで売れ残った恵方巻が大量廃棄される」という内容の複数の投稿が写真付きでSNSに寄せられた。実際、どれくらいの量を廃棄したのか、コンビニ各社は明らかにしなかったものの、売れ残った恵方巻を廃棄せざるをえなかったことは、各社が認める。SNSで提起された「恵方巻き廃棄」の問題は、家庭も含めた「食品ロス」の問題に行き着く。

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期限切れの恵方巻きは廃棄

節分の時期になるとコンビニなどで恵方巻きが売られるが……(写真はイメージ、アフロ)

 セブン&アイホールディングス、ローソン、ファミリーマートのコンビニ3社に取材した。販売本数や廃棄本数について、各社とも実数は明らかにしなかったが、ローソン広報室は「販売本数はほぼ前年と同程度」だったとし、ファミリーマート広報室は「恵方巻の売上高は前年よりも増加しているが、特に売れ残った商品が多かったという認識はありません」と語った。セブン&アイホールディングス広報センターも「商品は各店舗で需要を予測して発注するが、全体の数字を見ると例年通りだった」と説明した。

 しかし、「ほかの通常の食品と同じく、販売期限が切れた恵方巻きは廃棄される」というのが3社に共通する回答だった。実際に、恵方巻きを廃棄したことは間違いがないようだが、セブン&アイホールディングスは「発注量と販売量の差をできる限り小さくすることが求められており、単品管理が重要になります」と同社の取り組みを強調した。

日本の「食品ロス」は500〜800万トン

家庭からも大量の食品が廃棄されている(写真はイメージ、アフロ)

 恵方巻きに限らず、本来なら食べられるはずなのに、賞味期限切れなどで捨てられてしまう食品を「食品ロス」と呼ぶ。農林水産省などがまとめた資料によると、日本の食品ロスの量は2010年度の推計で約500〜800万トンだった。これは、世界全体の食糧援助量(約400万トン)の約1.25〜2倍に相当するという。

 セブン&アイホールディングスがいう「単品管理」とは、一つひとつの商品ごとに適した発注量などの仮説を立て(たとえば、「今日は近くの小学校で運動会があるからおにぎりが売れるだろう」など)、実際の販売で検証・見直しを行い、売り上げの最大化と在庫の最小化を目指す方法のことだ。個々の店での単品管理を徹底することで、食品ロスを低減する取り組みを進めるという。

 ローソンでも現在、個々の店舗からの発注システムを見直している最中だという。前年同期の売り上げ状況などから、発注商品の品目や数量の最適化を図ることができる機能も盛り込まれる予定で、利用客の利便性を高めることが主な目的だが、それを追求することで食品ロスの削減も期待されるとしている。

 一方で、食品ロス約500〜800万トンのうち、食品関連事業者(製造、卸売、小売、外食)から出る量は300〜400万トン、一般家庭は200〜400万トンだ。一般家庭の廃棄量が約半分を占めているわけで、企業だけでなく各家庭で、食品ロスを出さない努力が求められている。

(取材・文 具志堅浩二)