ハマの4番が究極打法に挑戦する(写真・黒田史夫)

 横浜DeNAの筒香嘉智外野手(24)が、沖縄の宜野湾キャンプで摺り足でタイミングを取る新打法に取り組んでいる。昨年オフに参加したドミニカのウインターリーグで、ボールが速く、しかも手元で変化するピッチャーに対応するため取り入れた新打法だが、過去に多くの名打者を生み出してきた究極打法とも呼ばれるもの。筒香がこの新打法を会得すれば、横浜DeNAの最下位脱出も見えてくる?
  

 沖縄の天気は気まぐれだ。6日、宜野湾のメイン球場が、突如嵐のような暴風雨に襲われた。
「砂が目に入って見えなかった」という悪条件の中、筒香は視察に訪れた侍ジャパンの小久保監督の前でフリー打撃を行い、挑戦している2016年型のバッティングスタイルを披露した。

 ピッチャーとのタイミングを計る右足がほとんど地面を這うように摺り足で動く。これまでは右足を10センチほど、ゆったりと上げることでタイミングをとって体重移動に変えていたが、その動きを封印した。いわゆる摺り足打法。プロ7年目にしての新たなる挑戦である。

「できる限り無駄な動きをはぶき、シンプルにやりたいというのが理由。今のところしっくりと来ている。ドミニカでは、強い球、動く球で、無駄をはぶく動きでないと打てなかったので、やり始めた」

 過去に摺り足打法で大成功したのは3085本の通算最多安打記録を持つ張本勲氏である。先日、殿堂入りを果たした故・榎本喜八氏も摺り足打法で、そのゲストスピーチに立った際、張本氏は「足を上げたり、反動をつけなければ、強いボールを打てないものだが、理想は、まったく無駄な動きをせずぶれずに打つこと」と改めて理想論を語っていた。3度、3冠王に輝いた落合博満・現中日GMも摺り足だったし、巨人、ヤンキースで活躍した松井秀喜、あのイチローでさえメジャー移籍後、振り子打法を徐々に進化、改造させ、今では摺り足打法である。究極の打法を追い求めると筒香が挑戦している王道打法に行き着くのかもしれない。

 ただ、摺り足にすることで、ボールを芯で捉える確率は上がるだろうが、反動を使わないためパワー不足となり、飛距離が落ちるという不安もある。下半身で主導できず、強く振ろうと意識する余り、上半身が力んでしまう危険性もあるだろう。

 だが、筒香は、それらの不安を一蹴した。

「外から見ているとわからないかもしれないが、実際は、体がしっかりと動いているし、まだ全力で振っていないが、感触はいい」