左から殊勲賞の井岡一翔、MVPの内山高志、技能賞の山中慎介

 プロボクシングの2015年度年間優秀選手の表彰式が12日、都内のホテルで行われ、MVP(最優秀選手)に初選出されたWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(36歳、ワタナベ)は「6年かかってやっと取れた。去年はケガもあったけど成績を残せていい年になった。この賞に満足せず今年も精進して、もっと上を目指していきたい」とMVP受賞の挨拶をした。

 MVP男の気になる次戦は、当初、ノニト・ドネアを倒したことで知名度をアップした元WBA世界フェザー級王者のニコラス・ウォータース(ジャマイカ)との米国での対戦を模索して交渉に入っていたが、WBA本部は、同級の正規王者であるハビエル・フォルトゥナ(ドミニカ)との対戦を指令してきた。
 WBAは、スーパー、正規、暫定などのタイトル乱立がベルトの権威と価値を下げていることをようやく問題視して、統一戦を進めていく方針を固めたが、その流れに沿って、まずは内山のスーパー王者と、レギュラー王者のベルトが統一されることになったのだ。

 さらにWBAは、その内山vsフォルトゥナとの統一戦の勝者と、同級の暫定王者であるジェスリール・コラレス(パナマ)との統一戦を命じていて、内山にすれば、ウォータース戦どころか、2試合連続で統一戦を戦わねばならないという大きな試練を投げかけられた。

「まだ詳しくは聞いていないが、しっかりとそういう試合に勝てば海外での評価も上がると思う。フォルトゥナは、技術があって、やり辛い相手。間違いなく、これまでやってきた相手の中で最も質が高いボクサー」と内山。

 ウォータースがスーパーフェザー級の転向初戦を引き分け(内容は勝っていた)で、米国内の評価を落としている状況だけに、2連続統一戦が米国で実現できて、インパクトのあるKO勝利を見せれば一気に内山が脚光を浴びる可能性が高い。本来、指名試合や統一戦の義務のないのが、スーパー王者の特権ではあったが、「防衛記録を伸ばすことよりも、強い相手と戦いたい」という考えを持っている内山にとってみれば、2試合連続の統一戦という前代未聞の試練も、むしろ歓迎すべきビッグファイトだろう。

 その当面の内山の敵となるフォルトゥナは、2012年12月にパッキャオvsマルケスの前座でWBA世界フェザー級の暫定王者を奪い、その後2015年に内山のスーパー王座昇格により空位となったレギュラー王座を、内山が倒したことのあるブライアン・バスケスと争って判定勝利。元ミドル級王者のテクニシャン、セルヒオ・マルチネスのスタッフに支えられ、小柄でリーチはないがサウスポースタイルから、左のフック、左ストレートをぶんぶん振り回している好戦的なボクサーで、KO率が高く、戦績は31戦29勝(21KO)1分け1無効試合と負けがない。肩を脱臼しながら試合に勝つという強いハートも持っていて、内山との統一戦は、KO必至の激戦になることは間違いない。現在、内山陣営は、ラスベガス及び国内開催の両睨みで交渉に入っているが、試練の連続統一戦を制することになれば、2年連続の国内MVPどころか、本場米国でのスターの座を手入れることになるのかもしれない。