【北海道・札幌】「第67回さっぽろ雪まつり」に沸くこの時期の札幌ですが、大通会場・すすきの会場の西遊日に当たる2月11日(木)北海道庁赤れんが庁舎・2階会議室で考古学好きにはたまらないセミナーが開催されました。それが「北の縄文セミナーin赤れんが」です。

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「編みかご」から編成技術をみる

[写真]赤レンガの2階会議室は超満員

 このセミナーは北海道・北の縄文道民会議・公益財団法人北海道文化財団が主催。2部構成になっていて、1部は植物考古学が専門の佐々木由香さん(株式会社パレオ・ラボ統括部長)が講師を務めた「さらにわかった!縄文時代の植物利用 編みかご・縄利用」でした。

 縄文時代に発明され、現代でも使っている道具というのが「ざる・かご」。マタタビで作ったツルツルのざるは米とぎ用で、ササで作ったガサガサのかごは洗い物に適していました。縄文時代の生活においても、素材の違いによって用途を変えていたようです。

 これらの編組製品(編む・組むといった技術で作られた製品)では、縄文時代に「編む」技法が発達しました。現在では当時の製品がほとんど残っていないことから素材の確定が非常に難しかったのですが、技術の進化により当時の暮らしが少しずつ分かってきました。ちなみに最古の編組製品は縄文時代初期にあたるおよそ1万年前のものが、滋賀県粟津湖底から発見されています。

 この編組製品の画期的な出来事は、縄文時代晩期(2800年前)に「籃胎(らんたい)漆器」と呼ばれるかごに漆を塗った器が登場したことです。かごに漆が塗ってあるため内部が見えないのですが、X線CTを活用することで編組部を可視化、底とそれ以外の部分の編み方が違うことが分かりました。縄文時代に、現在も使われているかごの編み方のほとんどが確立されていたという驚きの事実も。「縄文時代の編組製品はシンプル」という固定概念は、すでに崩れてしまっています。

 しかも縄文時代には、強固な素材がない時代に装飾的な効果と補強の役割を備えた「ヨコ添え巻き付け編み」というオリジナルの技法もありました。縄文時代というと縄文式土器のイメージが強いとは思いますが、編組製品を含めた植物利用においても素材を活かした技法がどんどん進化を遂げていたようです。