来日する外国人観光客が「爆買い」に続き、日本各地の“穴場”観光を目指し走りだしています。有名観光地を一巡したリピーターを中心に、何の変哲もない赤ちょうちん街や路地裏などに外国人が続々と姿を現しており、地方へも本格展開中。長野県の場合は、地域の伝統の祭りや温泉に入る猿を見ようとする外国人でごった返す騒ぎに。地元では、経済効果にとどまらず「外国人が普段の日本の姿に関心を持つようになった」と歓迎する声も出ています。

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「温泉猿」がネットで広がり

[写真]温泉に入る「スノーモンキー」に夢中の外国人

 「温泉に入るお猿さん」で知られる同じ長野県の地獄谷野猿公苑(山ノ内町)も外国人ラッシュ。野猿公苑によると、今年の正月には1日に900人もの外国人が訪れたことがあり、その後も1日500~600人のペースが続いています。「温泉に入る猿」というびっくり話題が「スノーモンキー」として外国人の間でネットなどを通じて広がり、来場者が膨れ上がったと見られています。

 JR長野駅東口からは野猿公苑行きの直通バスが発着し、「これはスノーモンキー行きのバスか?」と期待の表情で乗務員に尋ねながら乗り込む外国人客が目立ちます。

野沢の火祭りに「オー!」

[写真]火祭りに興味津々の外国人(野沢温泉村)

 一方、1月15日に長野県野沢温泉村で行われた伝統の「道祖神祭り」は夕刻から深夜にかけて5000人近い人出となり、そのうち数百人は外国人で占められました。組み立てられた高さ10数メートルの社殿の上で厄男たちが掛け声を掛けると、缶ビールを手にした外国人男性らも「オー」と歓声。たいまつを振り回しながら入場する一群に目を見張り、大声で「これからどうするんだ」「やぐらには、いつ火を付けるんだ?」と興奮気味に声を掛け合う姿が各所に。

 振る舞い酒の日本酒で祭りのスタッフと乾杯を繰り返しふらつく男性や、異国の冬の夜空に輝く月と火祭りの炎の幻想的な取り合わせにうっとりする女性たちもいました。深夜になって社殿のやぐらに火がつけられると、外国人たちも周囲に近寄ってほかの観客と一緒に飛び回り、祭りの雰囲気を満喫。

 外国人たちはカップルや家族連れ。顔ぶれも欧米人、中国人など多彩で、その場は国際的なイベントの様相に。野沢温泉村の道祖神祭りは国の重要無形民俗文化財に指定されており、外国人の中には祭りをじっと観察したり写真を撮り続けるグループもいました。 

 野沢温泉観光協会によると、道祖神祭りには10年ほど前から外国人が訪れるようになり、今回は祭り当日の15日が宿泊のピークになりました。スキーやスノーボードとともに火祭りを目当てに訪れたり、中には長野県白馬村などに長期滞在しながらバスで足を延ばしてきた人たちです。