北海道に次ぐ寒冷地とされる信州・長野県でこの2月、滝が凍り付いた氷瀑(ひょうばく)が各地で姿を現しています。数十メートルの高さから落ちる滝が厳寒期に凍り付き、白く輝く大きな氷柱に。山間部の滝が多く、雪道で現地にたどり着くのが難しいため、パワースポット的な存在として訪ね歩く人も出てきました。

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■滝の上部に向かって立ち上がる

[写真]小諸市の「不動の滝」(2月8日撮影)

 長野県は標高の高い上田市・菅平高原や木曽町・開田高原などで厳寒期に氷点下10度を下回ることが珍しくなく、菅平高原では2012年に氷点下29・2度を観測したほどの寒冷地。奥深い山地にある多くの滝の幾つかは凍り付いてしまいます。

 長野県小諸市の北部、浅間山麓に近い菱野温泉から歩いて10分ほどの「不動の滝」。高さ10メートル以上の滝の上部に向けて氷瀑が立ち上がっています。静かな森に囲まれた滝は神秘的な雰囲気。滝を訪れた上田市の男性(33)は「ここの氷瀑はパワースポットだと思って時々来ています。夏は滝の下の方で子供たちが水遊びをし、冷たい水と涼しい空気でいい環境です」と話していました。

[写真]滝の半分以上まで凍ることもある大町市の「八坂大滝」(2月8日撮影)

 また、長野市から国道19号を松本方面に車で1時間近く走り、途中の山清路(さんせいじ)から北へ入った山間部の大町市八坂にあるのが「八坂大滝」。落差が50メートルほどあり、細かい水滴が霧のように光りながら落ち、その下には氷の小山ができています。氷の山は大きなときで滝の中ほどまで達する氷瀑になるといわれていますが、今シーズンは5~6メートルの高さです。

[写真]北相木村の「大禅の滝」(2月8日、提供:村役場)

 この他にも長野県北相木村に3つある三滝(さんたき)のうち「大禅の滝」は、高さ25メートルほどまで氷瀑が育ち、村役場の話だと見物の人も訪れています。寒い冬は氷瀑が高さ30メートルまで届きますが、今シーズンは数日前の気温の上昇もあって現状に留まり、氷瀑の中間部の氷も緩くなりました。

 長野県では王滝村、阿智村なども含め10か所近い氷瀑が知られており、冬のパワースポット的な名所として関心を集めつつあります。凍結や雪の道をたどって行く所も多く、車や靴の滑り止めが必要。小諸市の不動滝の近くの主婦(77)は「アイスバーンの山道では下り坂で車を止めると上がれなくなることが多い。そんなトラブルでレッカー車が出る騒ぎになったこともあるので、見物は慎重に」と話しています。

(高越良一/ライター)