内閣府は15日、2015年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値を発表しました。物価の影響を除いた実質でマイナス0.4%、年率換算ではマイナス1.4%となりました。4~6月期に続いて2回目のマイナス成長ということになりますが、日本経済はどのような状況なのでしょうか。

家計の財布はきつく

GDPマイナスをどう見る?。写真はイメージ(ロイター/アフロ)

 10~12月期のGDPがマイナス成長になることについては多くの専門家が予想していました。これまでに発表された経済統計の数字が良くなかったからです。企業の生産に関する指標である鉱工業生産指数は、10月が前月比プラス1.4%、11月がマイナス0.9%、12月がマイナス1.4%でしたから、3カ月を通じて見ると生産は1%程度のマイナスとなりました。

 企業の生産が振るわないのは、需要サイドである家計の状況が厳しいからです。二人以上の世帯における実質消費支出は、10月が前月比マイナス0.7%、11月がマイナス2.2%、12月はマイナス1.0%でした。物価の上昇分に比べて給料の伸びが鈍く、家計が財布の紐をきつく締めている様子がうかがえます。

 10~12月期のGDPにはこうした状況が如実に反映されました。日本のGDPの約6割を占める個人消費がマイナス0.8%と落ち込み、全体の足を引っ張っています。

 これまでの日本経済は、低迷が続いていたものの、個人消費は何とか維持されている状況でした。もし次の四半期においても消費が弱いということになると、問題は少々深刻です。

さらに消費に悪影響も

 アベノミクスは、財政政策で景気を下支えし、これに量的緩和という金融政策を加えることでインフレ期待を醸成させるというものです。財政と金融で時間稼ぎをしている間に、構造改革をはじめとする成長戦略を実施し、持続的な景気拡大につなげていくわけです。しかし、一部を除いて成長戦略はほとんど実現しておらず、頼みの綱のインフレも輸入物価以外では思ったほど進んでいません。

 政府は消費を喚起するため、財界に異例の賃上げ要請をしていますが、一方では年金を維持するためROE(株主資本利益率)の増大も求めていますから、効果は相殺されてしまいます。労働市場において最大の問題となっている正社員と非正規社員の行き過ぎた格差の是正については解消される見込みがありません。この状態で、GDPの本丸である個人消費が低迷してしまうと、政策的に打つ手がなくなってしまいます。

 これまでの日本企業の業績は、基本的に円安と米国の好景気に支えられてきました。しかし、米国の成長にも鈍化の兆しが出てきており、為替は円高に振れている状況です。このままでは来期の企業業績が下振れし、これが消費にさらに悪影響を与える可能性もあるでしょう。

 本来、マイナス金利は円安とインフレを誘発するものですが、現状はなぜか逆向きの作用となっています。教科書的にはマイナス金利幅を拡大するということになるのでしょうが、日銀がこれを決断するには、かなりの勇気が必要になると思われます。

(The Capital Tribune Japan)