福島県南相馬市の桜井勝延市長が17日、東京の外国特派員協会で会見し、東日本大震災から5年を迎える南相馬市の現状について語った。同市では今、若い世代の流出が大きな課題になっており、その背景に国の放射線教育の不備があると指摘。政府が進める原発の再稼働については、「被災地の住民として怒りを持っている」と批判した。

東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見

東日本大震災から5年 南相馬市長が17日に会見

司会:(英語)

Financial Times:(英語)

通訳:そして難民の受け入れについて、もしコメントお願いできれば。

桜井:南相馬含めて、旧相馬藩は240年から200年前までに、天明・天保の大飢饉があったときに、まったく異教徒である浄土真宗の門徒を受け入れて再興してきたっていう歴史があります。南相馬市に新しい人たちを来てもらうときに国内だけで本当に大丈夫なのかという意見だと思いますけれども、国内の人が南相馬市に来てもらえるのは本当にありがたいことですけれども、われわれとしてもっともっとアジアを含めて、今、日本の少子化に対する考え方も、取り組みも変えていく必要があるというふうに、私は個人的には考えています。
 ただ、制度設計としてこの国が海外の人を受け入れるのに対して、非常に警戒感というかバリアがあるのも承知しておりますけれども、ただ、世界的に考えたときに、日本が今のままでいいかどうかについては、私個人的にはまったく積極的に受け入れすることも行うべきではないかというふうには思っています。

2030年までに再生可能エネルギーで市内の電力を賄うことは可能

司会:(英語)

記者:(英語)

通訳:財政的、技術的、そして国の、政府的にも障害があると思われますでしょうか。

桜井:2030年までに再生可能エネルギーで市内の電力を賄おうということについては私はまったく可能だというふうに考えています。と申しますのは、被災した地域、被災したというのは、津波で被災した多くの面積があって、福島県で最大の被災地が南相馬市です。使えなくなった農地とか、被災した農家の皆さんの土地を買い上げたりしてる土地が多くあって、ここにおおよそ1700ヘクタールの太陽光パネルをまもなく設置する動きが強まっていきます。

 これに象徴されるように、積極的に市も補助金を出しながら、自分の屋根に太陽光を上げるとか、再生可能エネルギーに対する挑戦する人を応援するとかいう仕組みを作っていて、市の工程表以上にたぶんいまは進んでると思います。それは国がFIT、買い取り制度を設置したこともあって、積極的に再生可能エネルギーに参加する人が増えたというのも事実ですけれども、このようなことを含めて2030年までには十分可能だというふうに思っています。

桜井:あ、ごめんなさい170ヘクタールです。ええ、1700じゃなくて。失礼しました。

司会:(英語)

桜井:大丈夫です。

司会:(英語)

通訳:それについて、伺ってもよろしいですか。

桜井:福島第一原発の収束のために使われているクレーンの数と、いま、東京オリンピックのために豊洲を含めて、東京のオリンピックのための建設のために使われているクレーンの数でどちらが多いかというふうに考えたときに、たぶん東京でのクレーンの数のほうが圧倒的に多いんじゃないかと思います。これに象徴されるように、復興なくして再生なしと言ってきたことを、本当に実現するためには地域の復興を最優先すべきだと私は思っています。

 ただオリンピックに反対する気持ちはありません。従って、両立できれば一番いいわけですけれども、建設は20年、つまり2019年までには完成しなきゃいけないっていう国の責務の中で動いていますから、南相馬市の、そして被災地の復興が本来優先されるべきなのに、それが遅れていく現実もあるだろうと思いますし、建設単価が高騰しています。これは被災地にとっても非常にマイナスになっていますし、ほかの被災地でないところの建設単価も上げているのも事実だろうと思いますので、やっぱり節度ある整備というか、節度ある対応をできるような国の施策展開があればいいなと、現地で見ながら考えています。