[写真]外国人も並ぶ焼き芋店(長野市権堂の「芋屋十兵衛」)

 サツマイモの「焼き芋」が新たなスイーツとして広がり始めています。サツマイモは戦時中、戦後の食料不足を補う主力食品の一つでしたが、その後の品種改良や熟成技術の進歩などですっかりおしゃれなおやつに変身。街角には焼き芋専門店も開店し、女性に限らず幅広い人気を集めています。最近は外国人観光客の目にも留まり始め、農水省もPRに一層力を入れ始めました。

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「ほくほく感」より「ねっとり感」

[写真]滑らかなスイーツに変身した焼き芋

 長野市の中心市街地にある繁華街「権堂」のアーケード入り口に、昨年4月開店した焼き芋専門の小売店「芋屋十兵衛」。店頭に並んだ女性客や男性サラリーマンなどがケースの中の紅はるか、安納芋、絹芋、むらさき芋など10種類もの焼き芋に目を輝かせます。値段は大きさや品種により1本100数十円から200~300円とさまざま。

 店主の鈴木美隆=よしたか=さん(41)の話では、焼き芋は以前のほくほくした、ややのどを通りにくい、時には胃にもたれる印象もある「焼いたサツマイモ」の姿からすっかり変身。品種改良や貯蔵・熟成方法の進歩ででんぷんを糖に変える技術が飛躍的に進み、食べやすくなりました。ほくほく感より「ねっとり感」が強く、のど越しもスムーズです。甘さも格段に増して、ケーキ並み。「これほど甘くても、もちろん添加物などはいっさいなく、改良技術のたまものなんです」と鈴木さん。

[写真]増える外国人客向けに英語の案内も

 その食感が焼き芋のイメージ刷新に結びついたのか、女性客に限らず通りがかりのサラリーマンや昔焼き芋やふかし芋をよく食べたというお年寄りまで買い求めてくれるようになり、中には10本、20本と“爆買い”する客も。リピーターも増えていると言います。

 インバウンド(来日外国人)促進や、おもてなしキャンペーンなどで同市内の善光寺周辺には外国人観光客が急増。焼き芋屋を目ざとく見つけ「これは何だ?」と聞く外国人も増えてきました。鈴木さんが「ベリー、ベリースイートポテト」と懸命に説明すると、ある男性は小さな芋を1つ買って食べながら歩いて行きました。しばらくしたら男性が戻ってきて「もう1本ください」。甘くて柔らかいのに驚いたと話していたそうです。