掛布イズムがチームに浸透しつつある。

 高知・安芸で行われている阪神の2軍キャンプを訪ねた。掛布雅之2軍監督(60)の明るいダミ声が絶えず球場内に響き、常に背番号「31」の“目線”を感じながら選手の気合も充実しているように見えた。

 掛布2軍監督は、自主性を喚起する工夫をしているが、午前8時15分に宿舎を出発する選手の最終タクシーがホテルに戻ってくるのは、午後6時だ。これまでは他球団の編成担当から阪神の2軍に関して「元気がない」「見るべきものがない」と聞かされる機会が多かったが、明らかにムードは一変していた。16日に行われたシート打撃では、ドラフト1位の高山俊外野手(22)が2安打を放ち非凡さを見せつけ、ベテラン勢もしっかりと存在感を示していた。阪神2軍の何が、どう変わったのか。掛布2軍監督を直撃した。
  

――注目のドラ1の高山。フリー打撃を見ましたが、打球が飛んでいませんね。掛布2軍監督がマンツーマンで、上体が流れてしまうことを矯正されていましたが、その影響ですか?
「疲れてんねん(笑)。振り込んで手も痛めているからね。疲労が溜まって下半身が使えない状態にある。ここからゲームが増えてくる中で疲れが抜けてくるから心配はしていない。膝で止まらず体が流れるのは、大学時代にヒットを量産したように当てることを意識しすぎてきたスタイルの影響もあるね。でも、そのあたりは、こちらが一方通行で教えて矯正しているのではなく、本人が考え、主体的に取り組んでいる。彼も、このキャンプで大きく変わってきた。実際、室内で打つときは、ちゃんと流れずに止まって打つ形を作れている」

――シート打撃では、1軍クラスの金田のインコースストレートに対応して中前打、追い込まれてから片手で変化球に反応したバットコントロールは、1軍レベルを感じさせました。
「あのインサイドのボールは、普通は、もうひとつ詰まるよ。しかも、初のシート打撃でプロのボールを打ったわけだから。インサイドを打てる打者は、なかなかいない。変化球の対応もさすが。大学時代にヒット記録を作った理由がよくわかる。実戦派だな。非常にレベルに体を使えるし、間の取り方もある。パンチ力も鳥谷以上のものがある。うまくいけばすぐにでも打率.280の20本は、打てる力はあるんじゃないか」

――20日の実戦デビューは雨天中止で流れましたが、今後の内容次第では25日に沖縄合流の予定ですか?
「どうなるかわからない。金本監督とは、安芸の2軍キャンプが24日に終わるので、そのタイミングで上で見れればというような話はしていた。でも上から落とす選手がいない状況だしね。残り2試合の実戦では、1番でフルに出させて1試合に5打席は立たせたいが、金本監督に推薦できる状況を見せてくれるかどうか」

――タイプとしては?
「1番、もしくは3番タイプだろう」